AIで勝つ企業へ、パナソニックグループは2035年までにAI関連売上30%を宣言
サプライチェーン業務でもAIが全てにおいて価値を生む
このAI関連の売上高成長に大きく関わる領域の1つが、サプライチェーンプラットフォームを展開するブルーヨンダーだ。ブルーヨンダーは2023~2025年にかけて大規模投資を受けて変革を進めているところだ。組織的な基盤作りとともに、技術的な基盤作りにも取り組んでいる。その中でAIの活用は大きなポイントとなる。 ブルーヨンダー EVP兼Chief Strategy OfficerのWayne Usie(ウェイン・ユーシー)氏は「サプライチェーンが複雑化する中、AIは全ての産業に大きな価値をもたらす」と述べている。さらに、サプライチェーンマネジメントプラットフォームには、以下の5つのポイントがあるとし、その全てにAIが関わり「AIがあらゆる業務のオペレーションを大きく変える」とユーシー氏は訴えている。 ・マルチエンタープライズエコシステム ・パーソナライゼーション ・インベントリーマネジメント ・オンタイムデリバリー ・キャピタルセービング
新たな家庭用AIサービス「Umi」を開始
さらに、新たなAI関連ビジネスとして立ち上げを発表したのがデジタルウェルネスサービス「Umi」だ。Umiはパナソニックグループ発のビジネスインキュベーターであるPanasonic Wellが開発したサービスで、AIや先進技術を活用し、アプリを通して家族をサポートする。パーソナライズ化されたファミリーウェルネスのコーチングなども行うことができ、ウェルネスデータをそれぞれの家族に合わせた具体的な行動計画に落とし込み、健康的な習慣を築き、家族全員で同じ目標に向かって取り組めるような仕組みを提供する。 Umiは、複数の大規模言語モデル(LLM)上で構成されるAIエージェントと、各種アプリ連携機能で構成されるサービスで、家庭のウェルネス状の問題などを、自然言語で相談できる。それに対し、Umiは方策や解決策などを推薦し、具体的なアクションにつなげ、その評価を行うことで、家庭のウェルネスのPDCAを回せるようにする。推進するパナソニック ホールディングス 執行役員 兼 Panasonic Well本部長の松岡陽子氏は「ファミリーウェルビーイングコーチのようなものだ」と述べている。 松岡氏は以前家庭の雑事をサポートするサービス「Yohana」を立ち上げ日米で展開しているが「Yohanaにより、家庭のタスク30万件、100万時間の削減につながったという調査結果があるが、この雑事の時間削減よって家庭のウェルネスを高めるためにどうするかという提案ができていなかった。これをUmiで行う」としている。 家庭内でパーソナライズを行うためにデータプライバシーなどへの懸念も大きいが、その点も含め、倫理性などを重視したLLM開発を行っているAI研究企業のAnthropicとのグローバルな戦略的提携も行った。このパートナーシップにより、パナソニックグループはAnthropic社のAIアシスタント「Claude」を活用することが可能となる。楠見氏は「AIにより、パワフルでポジティブなインパクトを社会に与える」と強く訴えていた。 ≫その他の「CESレポート」の記事はこちら (取材協力:パナソニック コネクト)
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