今までにないような衝撃的な始まり方――「はじりこ」犬飼貴丈&林芽亜里インタビュー
――脚本や原作を読んでの感想をお願いいたします。 犬飼 「当時はクズの不倫夫役を演じていたので、甘いラブストーリーに振り切るのは大変だなと思いながら原作を読ませていただきました。そして、今作は衝撃的な2人の出会いから始まるところが肝なのかなと。お互い正反対の気持ちから距離を縮めていく2人の心の機微がとても繊細に描かれていて、本当にすてきな作品だなと感じました」 林 「犬飼さんもおっしゃったように今までにないような始まり方で、『どういうふうにお話が進んでいくのかな』と、ワクワクしながら一気に読み切ってしまいました。キュンキュンする面もありつつ、キャラクターが持つ過去だったり、悩みだったり、葛藤だったりが描かれているので、私自身もいろいろな感情を持つことができて、とても楽しかったです」
――お二人は今回が初共演ということですが、撮影をする前の印象と、撮影を終えてのお互いの印象を教えてください。 犬飼 「初めてお会いした時は、今年で19歳とは思えないような大人っぽさを持っている方だと感じました。撮影を通していくと、26歳を演じているからなのか、それがより増していった印象です。でも、たまに見せる19歳の等身大の顔もあって、さまざまな顔を持つ女優さんだなと思っています」 林 「初対面はすごくクールな方だなという印象でした。撮影を重ねるにつれて、サラッと自然にいろいろなことを教えてくださったり、気遣ってくださったり、紳士な方だと思いました。第一印象とのギャップはなく、すてきな方です」
――撮影で大変だったことや、役作りで意識した点などをお聞かせください。 犬飼 「高嶺は仕事モードの時と甘いモードの時の振れ幅が大きいキャラクターなので、コントラストがはっきり出るように意識しながら演じました。どこまでキャラクターの味を出していいのか監督の反応を伺ったり、本番前に『この高嶺は気持ち悪い感じで演じてしまって大丈夫ですよね』と確認したり(笑)、細かい調整を現場でさせていただいたことがとても印象に残っています。一歩間違えれば本当にただの気持ち悪い人になってしまったり、出さなくてもいいものが出てしまったりするので、常に気を付けながら自分なりに考え、より丁寧に高嶺を作っていきました」 林 「実年齢と役年齢が離れているということもありますが、莉央は子どもっぽい一面もあるので、そのさじ加減が難しかったです。子どもっぽい部分はあるけれど、全てをそれにしてしまうと26歳の経験値ではなくなってしまうので。撮影中、監督との合言葉は『26歳を忘れずに』でした。セリフの言い方、声の強弱、間の開き方でだいぶ大人っぽく見えたり、勢いをつけ過ぎても子どもっぽくなってしまったり、セリフの言い回しを常に気にしながら撮影に臨みました」