セブン&アイ取締役は社員のほぼ千倍! みんなが知っている一般企業の「役員報酬」ってどれくらい?
役員報酬10億円超は13人、5億円以上でも47人!
この役員報酬ランキングで、報酬が10億円を超えた役員は13人もいた。トヨタ自動車の豊田章男会長もそのひとりで、16億2200万円を稼いでいる。役員報酬5億円以上に対象を広げると、このランキングで47人も該当者がいる。 ’24年3月期決算の上場企業で、1億円以上の役員報酬を得た人は、どんな企業に多いのだろうか。多い順に、日立製作所34人、三井住友フィナンシャルグループ17人、伊藤忠商事14人、三菱UFJフィナンシャル・グループ14人、大和証券グループ本社10人などとなっている。 たとえば、日立製作所では、6月末に退任したクラウディオ・ファキン元執行役専務が9億600万円を得ているほか、アリステア・ドーマー執行役副社長は8億7800万円、小島啓二執行役社長兼CEOが6億700万円など。 総合商社大手の伊藤忠商事にも高額報酬を得ている役員が何人もいる。岡藤正広会長CEOは10億300万円、石井敬太社長COOが7億2900万円、都梅博之副社長は5億8000万円で、そのほかに5億円以上を得ている役員が2人いる。 データをとりまとめた東京商工リサーチ情報本部情報部の坂田芳博さんは、製造業大手、金融、不動産業などに高額の役員報酬を得ている人が多いとみている。そうした企業では総じて、従業員の年間報酬額も高い水準になっているという。 高額な役員報酬を開示する意味は何か。坂田さんは「役員報酬を開示することで、その妥当性を確認することができます」と指摘する。企業の業績が向上して、役員報酬も上がってきているという。上場企業の役員報酬ランキングで上位に出てくる顔ぶれについて、坂田さんは次のように話す。 「毎年、もらうべき人がもらっていて、顔ぶれが大きく変わるものではありません。企業活動がグローバル化して、外国人の優秀な人材を雇い入れるなどしており、人材の確保や転職の阻止などのため、役員報酬を上げないといけなくなっています」 ◆意外と安い? ソフトバンクの孫会長兼社長は1億円、楽天の三木谷会長兼社長は1億9000万円…その訳は セブン&アイHDなどのように決算が3月期以外の上場企業役員や、3月期決算でもランキング上位でなかった企業役員の報酬についても、東京商工リサーチが調べている。誰もが知っている経営者たちの役員報酬をみてみよう。 たとえば、ヤマダデンキを傘下に持つ山田昇・ヤマダホールディングス会長兼社長CEOは4億3600万円、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が4億円、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は1億9000万円を得ている。銀行や証券などの金融機関を傘下におさめる金融コングロマリットのSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長が3億100万、LINEヤフーの川邊健太郎会長は3億9500万円など。 LINEヤフーの親会社で、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は1億円。同じソフトバンクグループの経営トップなのに、前出のレネ・ハース取締役の34億円超に比べて、役員報酬だけをみると格安だ。 パチスロ・パチンコメーカーのユニバーサルエンターテインメントの富士本淳元代表取締役の役員報酬は5億7600万円だった。