MotoGP日本人ライダーの戦い【第18戦タイGP】小椋藍がMoto2チャンピオンに輝く。チームとともに見せた歓喜と、もう一つの表情
MotoGP中上貴晶はウエットでもリヤグリップに苦戦
MotoGPクラスに参戦する中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)は、予選Q1で8番手、18番グリッドとなった。土曜日のスプリントレースではレース序盤からフロントタイヤとフロントブレーキのフィーリングに苦戦して、18位でゴール。日曜日の決勝レースはウエットコンディションとなり、ここでは特にレース序盤、リヤタイヤのグリップ感が全くないという状況に苦しめられ、それでも13位でゴールを果たした。 「最終的にポイント圏内で終われてよかったと思っています。もうちょっとリヤグリップの感じがよければ、(8位のヨハン・)ザルコくらいまではいけたと思うのですが。ただ、レース序盤の数周を考えれば、(ザルコが)見える位置まで戻れたのはよかったですね」 また、中上はMoto2クラスでチャンピオンを獲得した小椋に向けて、こう語っていた。 「彼は今季すごく安定していました。チャンピオンにふさわしいと思います。今日も、レース序盤は少しポジションを落としましたけど、とても冷静に順位を回復して、レース終盤には2番手に浮上しました。とてもうれしいですし、彼におめでとうと言いたいですね」 Moto2クラスルーキーの佐々木歩夢(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)は、予選で今季自己ベストグリッドとなる12番手を獲得した。決勝レースではトップ10争いを狙っていたが、チャタリングに苦しみ、13位だった。 「チャタリングの問題がここ4戦続いています。それがなければ5、6番手のグループにはついていけたと思うのですが。ただ、スピードはよくなってきているので、あと少しだと思います」 「そして、藍のチャンピオン。アジア・タレントカップからずっとライバルで一緒に走ってきました。今年いちばん速かったと思います。僕も藍みたいに強くなって、MotoGPライダーになれるように頑張りたいと思います」 Moto3クラスでは、古里太陽(ホンダ・チームアジア)が最終ラップまで接戦の優勝、表彰台争いに加わった。しかし、最終コーナーを立ち上がったとき、他のライダーからの接触を受けて、転倒。古里はマシンとともにフィニッシュラインを通過したことで、5位という結果に終わった。痛みはあるが、大きなけがはないという。 鈴木竜生(リキモリ・ハスクバーナ・インタクトGP)は20番手スタートが響き、レコードラインだけが乾いているという路面状況もあってポジションを上げきれなかった。それでも大きく順位を上げ、10位でゴールを果たしている。山中琉聖(MTヘルメット – MSI)はセクター3でウエットパッチにのってハイサイドを喫した。それが2回続いたことでポジションを下げ、11位でのフィニッシュとなった。 MotoGP第19戦マレーシアGPは、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで、11月1日から3日にかけて行われる。
伊藤英里_Eri Ito