「ディオール」の“闘うお嬢”にキュン、「サンローラン」のシースルーに物議 2024-25年秋冬パリコレ取材24時Vol.1
そして、ピーターが1人だけ用意したリアルなモデルに着せて説明していたのは、着方を変えられるルック。サテンのミニドレスをベースに、マキシ丈のシアーなエプロンドレスのようなパーツを前身頃に付けたり、後身頃に付けたり、はたまた外したりと、3通りで着られるようになっています。それだけでなく、袖がボタンで開閉するテーラードジャケットや細い紐で縛るラップスタイルのスカートなどもあり、「ピーター ドゥ」らしいレイヤードが目を引きます。
バッグやシューズは先シーズンに続き、エコーレザー(ECCO LEATHER)のコラボレーションプロジェクト「アット コレクティブ(AT KOLLEKTIVE)」でピーターが手掛けてたもの。このプロジェクト、他にはキコ・コスタディノフ(Kiko Kostadinov)」が参加していたり、過去には元「クロエ(CHLOE)」のナターシャ・ラムゼイ・レヴィ(Natacha Ramsay-Levi)もアイテムをデザインしていたり。なかなか面白いです。
「ピーター ドゥ」のコレクションに話を戻すと、全体としては安定感はあるものの、新鮮さは薄め。でも、それは意図的でもあるよう。先シーズン、彼は自身のブランドについて「自分のパーソナルな部分や生活を映し出し、常に進化を続けるもの」と語っていましたが、「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」との二足の草鞋はきっと簡単ではないはず。今は「ヘルムート ラング」で新たなことに挑み、「ピーター ドゥ」では自分の好きなスタイルを追求することで、バランスをとっているようです。
11:00 「ダウェイ」
メトロでメールやLINEの返信に集中していたら、うっかり乗り換える駅を過ぎていることに気づかず。急いで戻り、「ダウェイ(DAWEI)」のショーに駆け込みました。数年前に何度か取材して、構築的なシルエットで仕立てたシャツをはじめとする布帛アイテムが得意という認識だったのですが、久しぶりに見たショーでは素材の種類もアイテムのバリエーションも豊かに。カッティングやダーツを生かした砂時計シルエットのコートや、ケーブルとリブ編みのパネルをパッチワークしたカーディガンなど、ウエアラブルでありながら個性のあるデザインを探している人にしっくり来そうなアイテムが印象的でした。