和田秀樹「専門医」の証書は要注意のサイン?日本で患者の立場に立って検討する医者を探すのに苦労するワケ
◆「専門医」でも全身を診るという発想をもつ医者もいる では、日本の医者はみんな頼りにならないのかというと、そんなこともありません。 「専門医」であっても、その医者がどんな病院で学んできたかということも大きく影響します。 私が以前勤務していた浴風会病院では、内科、整形外科の入院患者さんの2割ほどは、精神科でも診ていました。 いろんな診療科の医者が一緒にお昼ご飯を食べるという伝統もあり、患者さんを全人的に診ようという方針がありました。 私は精神科医ですが、そのときにほかの医者からいろいろな話を聞けたおかげで、血圧だろうが、血糖値だろうが、自分の診療経験に基づいて治療します。 わからない病気はほかの医者に託しますが、なるべく自分でも勉強してきたつもりです。
◆医者を見極める力をつけるには もし、あなたがかかっている医者が循環器内科の専門医だとしたら、「先生は循環器内科の専門医だとしたら、消化器のこともわかりますか?」と質問したらいいと思います。 医者は、患者が何も聞かないと思っているので慌てるかもしれません。 「たしかに、ぼくは循環器内科一筋で、消化器のことはわからないから、ここに書かれているとおりの治療になっちゃうんだけど、それが嫌だったらほかの先生のところに行ったほうがいいですよ」と言ってくれる医者は良心的だと思います。 そうしたやりとりをしながら、この医者はこちらの要望を聞いてくれそうだな、この医者は信頼できないな、という見極める力がついてくるでしょう。 ※本稿は、『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』(講談社)の一部を再編集したものです。
和田秀樹
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