「ユズ収穫の苦労感じた」 八幡屋礒五郎、七味の原料の産地へ若手社員派遣 高齢化進む農家を支援
天龍村産ユズを自社製品の七味の原料としている八幡屋礒五郎(長野市)が、村に若手の社員3人を派遣し、ユズ農家の収穫を手伝っている。高齢化率が6割を超える村は、ユズ農家も高齢化で収穫作業がままならない畑が多い。28日は平岡地区の畑2カ所で収穫に励んだ。 【写真】村民に教わりながらユズを収穫する若手社員
村内では近年、農家の高齢化により収穫量の確保に苦労しており、地元の「合同会社ゆずすけ」などが村内40軒ほどの農家の収穫作業を担っている。そうした状況を受け、同社は「ユズ産地の苦労を知る機会にしよう」と、作業を手伝う若手社員の派遣を申し入れた。
派遣は25~29日の日程で、28日は社員3人が旧天龍中学校にある畑を訪問。ゆずすけの従業員らと高枝切りばさみを使い、ユズの木8本から計150キロほど実を摘んだ。収穫後、車座になって実の枝葉を取る作業では「村の暮らしはどうですか」と会話を弾ませた。
ゆずすけのパート従業員宮沢悟さん(80)=平岡=は「若手が来てくれて収穫作業がはかどる」。飯綱町の工場でユズの洗浄を担当している同社製造部の鈴木智也さん(28)は「足腰が悪い中での収穫など皆さんの苦労を感じた。会社でも何かできることがないか考えたい」と話した。