危険でも見てみたい。嵐の激化でアメリカの竜巻観光ツアーがアツい
竜巻追跡ツアーの1日
ツアー参加者は、竜巻やスーパーセルから数km離れた見通しのいい場所で、危険がないのを確認しながら写真や動画を撮影し、また次の場所やストームを求めて移動を繰り返します。 サンダーストームの中に入っちゃうと、荒れ狂う暴風にハンドルを取られて横転したり、ヘタするとソフトボール大の雹(ひょう)が降ってきたりもするので危険です。また、万が一竜巻が発生した場合の逃げ道を常に確保しながらストームを追いかけていくそうです。プロにしかできません。 1日が終わるとホテルに宿泊して、翌日にまたストームチェイサーが気圧配置などから竜巻が発生する気象条件が揃いそうな地域を見積もって、数百kmの旅を続けます。 つまり、行き当たりばったり。 でも、ただひたすら竜巻を追いかけて車に乗っているだけでもなくて、行く先々でラシュモア山などの代表的な観光名所を巡ったりするツアーもあるのだとか。 また、都会や海外から訪れた参加者にとって、アメリカの壮大な田園地帯を走るだけでも感動するそうです。わかります。テキサスに来た当初、なんにもない真っ直ぐな道を運転して心が震えましたもの。 竜巻観光ツアー「Extreme Tornado Tour」の運営チームの1人で、ツアーガイドをしているMax Olsonさんが、動画でツアーの概要について説明しています。動画の後半にはツアーの様子も。 こちらは、Olsonさんがガイドを務めるツアーで遭遇したスーパーセルと、それを撮影する参加者の様子。 筆者はダラス北部のハイウェイを走っているときにスーパーセルを見た経験がありますが、荘厳で美しくて胸騒ぎのする不思議な怖さを感じました。なので、その感覚を何度も味わいたくて、リピーターになる参加者がいるのもうなずけます。
ツアーのお値段
オクラホマ州をベースにしているExtreme Tornado Tourが企画するツアーから、気になるツアーのお値段を確認してみると、今年のツアーは7日~10日の日程で組まれていて、7日間だと2,950ドル(約46万円)、10日間の場合は4,190ドル(約65万3000円)となっています。宿泊代は込みだそう。 来年も同じ時期(4月から6月)にツアーが組まれていますが、10日間のツアーが4,950ドル(77万2000円)に値上がりしています。宿泊代込みとはいえ、竜巻やスーパーセルに出会える保証も、出会ってしまったときに100%安全な保証もないのに、この値段は決してお安くない気が。竜巻に巻き込まれたり、自動車で事故に遭ったりしてケガをした場合、海外旅行保険おりるのかな…。 ツアーには、宿泊代以外に毎朝行なわれる気象予報士とのミーティングへの参加や、写真やビデオ撮影のアドバイス、撮影チームが記録した写真と映像のダウンロード権、オリジナルTシャツなどが含まれます。 ちなみに、2024年と2025年の全日程はすでに埋まっている状況で、キャンセル待ちになっています。めっちゃ商売繁盛。