紀伊半島の山深い森で火の鳥に出会い、高貴なヤマシャクヤクを愛でる「和佐又山deキャンプ&ハイク」【後編】
和佐又山を彩る初夏の花たち
今回の山旅で、もう一つ出会えてうれしかったもの。それは、〝深窓の令嬢〟ならぬ、〝深山の麗人〟という佇まいの美しい山の花「ヤマシャクヤク」です。 真っ白な五弁の花びらの中に、黄色のおしべと紫の差し色がくっきりしていて、とても清楚な印象の花。園芸種の「芍薬」のような華やかさはないのですが、野生の気高さのようなものが感じられ、大好きな花のひとつです。 下りながらふと目を上げると、頭の上にはベニドウダンの愛らしい花が揺れていました。これまた、見つけるとうれしくなります。 のんびり歩いて、休憩もしながら、1時間半ほどのショートハイキングだったのですが、なかなか満足できるお花探索となりました。
シメは天然温泉とまたまた道の駅
この日は、ゴールデンウイークの最終日。帰り道の渋滞が気になるところですが、せっかくここまできたのだから、お気に入りの温泉には立ち寄りたい。 奥吉野の名湯で、平安の昔から薬湯として知られた「入之波(しおのは)温泉」。 源泉かけ流しの温泉は、豊富な湯量で自噴している含炭酸重曹泉、炭酸泉。湧出時は無色透明ながら、濃厚な温泉成分が浴槽に沈着して、陶器のような独特の風合いになっています。露天風呂もあって、川辺の風が心地よく、癒されました。 帰り道では、またしても道の駅を2軒ハシゴ。奈良県産の朝採れ野菜や果物を、今度は自宅のお土産にと買い物に余念がない一同でした。
根岸真理