トランプ関税のインフレ影響「予測できず」=英中銀グリーン委員
[ロンドン 5日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のグリーン金融政策委員は5日、トランプ次期米大統領による関税の大幅引き上げが英国のインフレ率にどのような影響を与えるかは不明だとの考えを示した。 グリーン氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)主催のパネルディスカッションで、関税がどのようなものになるか誰もはっきりとは分からないと指摘。「特に英国やユーロ圏においてインフレ率の押し上げ、押し下げのどちらになるかさえ予測できない」と述べた。 トランプ氏は先月、就任初日にメキシコとカナダからの全ての輸入品に25%の関税を課し、中国からの輸入品に追加で10%の関税を課すと表明している。 一部のエコノミストは、米国が特に中国からの輸入品に高関税を課せば、英国で中国からの輸入品価格の低下がみられる公算が大きいと指摘している。 グリーン氏は、英国は米国と欧州連合(EU)との貿易関係の均衡を取ることが困難になる可能性があり、「最終的には選択を迫られることになるかもしれない」との見方を示した。 インフレ率については、今後3年間で中銀が目標とする2%に回帰しないリスクが多少あるとの認識を示した。関税を巡る不確実性や新政権の初予算案で示された税負担の増加などを理由とした。