サム・アルトマン氏のワールドコインが改称──より高速な「Orb2.0」を計画
サム・アルトマン(Sam Altman)氏のプロジェクト「ワールドコイン(Worldcoin)」は、その名称を半分に短くし、何十億もの人々の虹彩をスキャンするためのより高速かつシンプルな「Orb」をデビューさせる。 現在、単に「ワールド(World)」として知られているこのプロジェクトの長期的な目標は、人々が匿名かつオンライン上で「人間であることを証明」できるID認証システムの構築であることに変わりはない。そこに到達するために、同プロジェクトは、眼球をスキャンした人々がリターンとして暗号資産のワールドコイン(WLD)とワールドID(World ID)を受け取るOrbをすでにデビューさせている。 AI(人工知能)の寵児であるアルトマン氏と共同設立者のアレックス・ブラニア(Alex Blania)氏が主体のメディアイベントで、ワールドの社員は「Orb2.0」計画を発表した。この計画では、部品が少なくなることで構築が高速化し、より良いチップにより実行速度が速くなり、オープンソースコードで実行される。 チーフデザイナーであるリッチ・ヘイリー(Rich Heley)氏は「もっと多くのOrbが必要で、おそらく今所有している数より1000個ほど多く必要だろう」とした上で、「Orbを増やすだけでなく、より多くの場所でOrbを増やす必要がある」と述べた。 ワールドは、ブエノスアイレスとメキシコシティで、店頭がOrbで埋め尽くされた「プレミアムな認証体験」の提供を開始する予定だ。また、地元のコーヒーショップのような日常的な場所にもOrbを設置する予定。さらに、「ピザのように」アプリを通じてOrbを自宅に呼び出すこともできるようになるとヘイリー氏は語った。 Orbがワールドの人間性チェックポイントを支える一方で、このプロジェクトは、政府発行の身分証明書を提出するだけで人々がワールドに参加できるようにすることで、ワールドIDシステムの導入を加速させることも計画している。 「もちろん、彼らはOrbを使用しないので、人間であるかどうかが本当にわかるわけではない。ただ、彼らがパスポートを持っている存在であることだけはわかる」と最高情報セキュリティ責任者のエイドリアン・ルドウィグ(Adrian Ludwig)氏は述べた。同氏はのちに、この参加ルートにはディープフェイクを阻止するためのチェックが追加されていると付け加えた。 「ワールドIDディープ・フェイス(World ID Deep Faces)」と呼ばれる新製品により、インターネットユーザーは、オンラインで会話していると思っている相手がディープフェイクでないことを確認できるようになる。これはもちろん、相手がワールドIDを持っていることが前提だ。 この発表後、トークンWLDは約5%下落した。 |翻訳・編集:廣瀬優香|画像:Danny Nelson/CoinDesk|原文:Sam Altman's Eye-Scanning Orbs Can Now be Summoned 'Like a Pizza', Say Worldcoin Execs
CoinDesk Japan 編集部