「最近は『元首相の孫だったの?』と驚かれます」宮澤エマは10年のキャリアを積んで“実力派女優”の道へ
長澤まさみは「すごく真面目な方」
――主演の長澤さんはどんな方でしたか? 宮澤:長澤さんって、世間一般ではどんなイメージを持たれているんでしょうね。 ――明るい方だというのと、あとはやっぱりどんな役でもできる俳優さんでしょうか。 宮澤:私は、俳優として破天荒な部分と芯の通っている両方の魅力的なイメージがありました。その期待は裏切らないままに、すごく真面目な方だなという印象です。お芝居や作品に対して、ものすごく頭で考えてらっしゃる部分と、「えいや!」と感覚でやられる部分がある。そういったところは、おこがましいですけれど、私も若干そういったタイプなので、なんとなく通ずるものを感じました。最初からフレンドリーに話しかけてきてくださいましたし、撮影中のピンと凛とした感じや、撮影の合間に見せるお茶目さのギャップも愛嬌があって、一緒にいてとても気持ちがよかったです。いろいろ相談もさせてもらいました。 ――そうなんですか。 宮澤:今回、ふたりして「すごく難しいね」と。まさみちゃんも悩んでいたし、私もすごく悩んでいて、手探りで「これでいいんだろうか、あれがいいんだろうか」と作っていきました。そのプロセスをふたり一緒にやっていけたのは心強かったです。 ――宮澤さんが一緒で、長澤さんも心強かったのではないでしょうか。 宮澤:化学反応をふたりで作れたことが楽しかったですし、私もまさみちゃんも、三谷さんとはこれまでにも関係性があるので、楽しかったですね。
デビューの頃は「時代物は出られないよ」と言われたことも
――カメラの外でのギャップの話もありましたが、どんなお話を? 宮澤:たわいもない話から仕事に対するスタンスまで。とてもフラットに何でもお話しました。『一緒にご飯に行きたいね』と言いながら、なかなかタイミングがなかったんですけど、ある撮影日に、『知り合いと今日、ご飯行くんだけど、行きます?』と誘われて。イキナリで『え、今日!? このあと?』と一瞬なりましたが、『行きます』とそのまま行きました。ここじゃ言えないような話もたくさんしました(笑)。一人の人間として、ハートをオープンにしている相手への気の許し方や、私生活を大切にしているところ、そういった部分も、とても信頼できるなと。仕事上の関係性だけじゃなく、人としてお付き合いのできる方です。 ――今回は長澤さんとのシーンが多いので、おふたりの関係に注目ですね。本編では様々な衣装も披露していますが、宮澤さんは、和洋なんでも似合います。これまでの作品では、着物も着られていて、本当にお似合いです。 宮澤:ありがとうございます。『おちょやん』で初めて着たときは、大阪言葉で時代物で、お着物に三味線と、どれも得意じゃなくて大変だと思いました。着物は成人式の振袖以来でしたし。怖かったです。でも不思議ですよね。デビューの頃は、「ハーフだから時代物は出られないよ」と言われたんですよ。いい時代になったなと思います。 ――一方で本作のラスト、黒のドレスで決めたミュージカルシーンも、もちろんさすがでした。今後、海外作品への挑戦は。 宮澤:面白いことに、逆に着物の印象が強くなっているらしくて、ハーフだと知らない人も多いようなんです。英語も喋れると思われてなかったりして(笑)。もちろん、海外作品にも挑戦できたらと思っています! ――ありがとうございました。楽しみにしています。 <取材・文・撮影/望月ふみ メアメイク/tamago スタイリスト/長谷川穣> 【望月ふみ】 ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
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