筑波大の舵取り役が2年目のインカレデビュー。徳永涼「チームがうまくいくようにプレーすることが自分の評価にもつながる」
[12.16 インカレ決勝ラウンド第2節 筑波大 0-0 大阪体育大 本城] 大きく入れ替わった先発メンバーの顔ぶれにも、開始直後のアクシデントにも大きな影響を受けず、筑波大の舵取り役が冷静なゲームコントロールで勝ち点1を確保した。 【写真】「可愛すぎ」「佐々木大樹のモノマネ?」乃木坂46五百城茉央さんがオフショット公開 MF徳永涼(2年=前橋育英高)は18日、インカレ第2戦の大阪体育大戦に開幕節・東海学園戦(◯3-0)に続いて先発出場。開幕節からはGK佐藤瑠星に加え、4枚回しでビルドアップを担当するDF安藤寿岐、DF小川遼也、DF福井啓太、DF池谷銀姿郎も連続先発した一方、前線を中心とする5人は入れ替えており、徳永は事実上、中盤より前の選手で唯一の連続先発だった。 ルーキーイヤーの昨季インカレは準決勝までの全3試合にベンチ入りしていたが、一度も出番がなかったため、実は今季がインカレデビュー。ただ、堂々たる風格とプレーぶりからは経験の違いを全く感じさせず、むしろ確固たるレギュラーとして代わって先発に入った選手たちの舵取りをこなしていた。 「入ってきた選手の特徴を見ながら自分がどういう役回りに立ったほうがチームがうまく回るのかという点を考えながらやった試合。メンバーを変えたぶんいつもと違う連係もあるので難しいところもあるけど、特に右サイドは銀と(沖田)空くんが縦への突破力のある選手で、そこをうまく補完しながらやるようなポジショニングを取っていた」 また前半7分にはMF高山優が負傷交代を強いられるアクシデントも発生。ボランチのMF竹内崇人がシャドーに回り、開幕節先発のMF加藤玄が急遽起用されたことで役割も変化したが、徳永はより前に出る意識もしながらすぐに対応してみせた。 「誰と組むかでポジショニングを変えるインテリジェンスみたいなところはわかっているつもりでいるし、崇人くんと組む時は自分がバランスを取りながらやるし、玄くんと組む時はどっちもできる。それを補完しながらやるというのは試合中にシフトチェンジできた」と手応えを語った。 試合を優勢に運びながらも、結果は0-0ドロー。「試合を通してあまり中にボールが入るシーンが少なかったので、ポジショニングとか自分が無理矢理にでもターンするかを使い分けたりして、もうちょっと中、中で攻めるシーンを作りたかった」というプレー選択の反省、「決めていればというシーンも何回かあったので、そこの質を上げたい」という最終局面の悔いは残した。 それでも2試合を終えて勝ち点4はグループ首位。それもグループ2番手の実績を持ち、パワフルな選手を擁する大阪体育大が相手だったこともあり、徳永はこの結果を「リーグ戦の2試合目という中では負けないことが大事で、その中で身体を張りながら失点がなかったのはポジティブなところ」と冷静に受け止めていた。 前橋育英高時代に数々のJクラブから注目を集め、大学進学の道を選んだ20歳の大学生活もそろそろ折り返し。出場機会の少なかった昨季から立場が大きく変わり、今季は関東大学リーグや天皇杯でコンスタントに経験を重ねてきた中、2年目のインカレではより大きな存在感を示す姿が期待されている。 「去年は出場機会がほとんどなく、苦しいシーズンを過ごしてきたけど、その中でも自分がひたむきに積み上げてきたことがいまプレーに表れていると思う。いまはスタメンで出させてもらうことが増えてきたけど、地に足をつけて、自分が変えないものは変えず、一歩一歩着実にやっていくのがスタイルなので、そういうところをおろそかにせずにやっていこうと思っている」 「(インカレでは)もちろん4年生を負けさせないという責任を感じているし、その中でもやっぱりチームがうまくいくようにプレーすることが自分の評価にもつながると思う。自分ならどんどん前にボールを運んだり、“コンダクシオン”のようにドリブルでどんどん前に入っていくシーンを増やして、チャンスメイクに絡んでいくところで自分のアピールをしていきたい」 その先には関東王者・明治大を破っての日本一という目標が見えてくる。 「このチームは去年のインカレ準決勝で明治に負けた時から始まっているチーム。誰一人その光景を忘れている人はいないし、リーグ戦でも明治にあと一歩で抜かれて2位で終わってしまった事実もある。その悔しさを全員が持って、この大会で明治を破って去年の4年生の借りを返すということを全員が思っている」。ボランチはチームの結果が個人の評価に直結するポジション。まずは試合ごとのタスクと向き合いながら、一つ一つのプレーで自身のアピールを続けていくつもりだ。