恐ろしくて面白い! 韓国バイオレンス映画5選!
か弱い少女が殺人マシンに!『The Witch 魔女』
記憶を失った状態で、農場を営む夫婦に拾われた幼い少女。ジャユンと名付けられ、彼らの娘として育った彼女は家計を助けるため、テレビのオーディション番組に出演し、念動力を披露する。ところが、これを見た謎の組織が彼女を追跡。ジャユンの正体は遺伝子操作によって生み出された人造人間だった。組織は武装集団を送り込み、両親や友人を人質にとって投降を迫るが、そのときジャユンの能力がフルに覚醒し……。 本国で大ヒットを飛ばし、続編『The Witch/魔女 増殖』も製作されたサイキックスリラー。物語が進むほど意外な事実が発覚していく展開はもちろん、アクションもスリリングで目が離せない。武装一味をたったひとりでなぎ倒し、ナイフ使いも鮮やかに敵を仕留めていくジャユンの暴れっぷりが痛快。虫も殺せないような少女から殺人マシンへと変わる主人公を演じた、キム・ダミの熱演に注目!
邪悪なマ・ドンソクが凄い!『罠』
妻の流産以来、性交渉を持てなくなり関係がぎくしゃくしてしまった夫婦が現状を打開しようと、離島へと旅に出た。そこにある食堂はどんな機能不全も治せるとか。店主ソンチョルの押しの強さにとまどいながらも、夫婦はそこに滞在するハメに。料理も酒も確かに美味しいが、時に乱暴なソンチョルや物言わぬその妻に不気味なものを覚えていく。やがて夫婦は、彼の凶暴な素顔を目の当たりにすることになる。 『犯罪都市』シリーズで今や韓国の国民的な俳優となったマ・ドンソクが、ブレイク以前にヴィランを演じたサイコサスペンス。彼扮するソンチョルが、とにかく恐ろしい。強引さと人懐っこさを使い分け、少しずつ威圧を強めていき他人を支配する、そんな横暴は、舞台が逃げ場のない離島だけに緊張感をあおる。後半には、邪魔者は次々と容赦なく惨殺するという邪悪さがあらわに!
文=相馬学 text:Manabu Souma