俳優・水上恒司インタビュー「世のため、人のため、そして自分のために」
テレビ朝日ドラマプレミアム『黄金の刻(とき)~服部金太郎物語~』(3月30日(土)夜9時~/テレビ朝日系)で、のちに「東洋の時計王」と呼ばれる服部金太郎の青年期を演じた水上さん。後編では、現場で感じた作品づくりへの想い、そして変化し続ける心境、水上さんの現在に迫ります。 朝の連続テレビ小説『ブギウギ』で好演を見せた俳優・水上恒司【写真をもっと見る】
鬼才たちが集う現場
今作の監督を務めたのは、映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』(2020年)の社会派ドキュメンタリー作品から、ドラマ『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』(2021年/テレビ朝日系)などほっこりホーム・コメディなどで知られる豊島圭介さん。その独特のカメラワークや撮影技法など、ワクワクするような撮影現場だったそう。 「なんでここにあるんだろう? という場所にダウンライトがあったりして、照明の使い方ひとつ取ってもとても新鮮でした。時計を魅力的に見せるためかもしれませんが、暗闇の中で懐中時計だけが輝いて見えるような世界観で。そういう意味では現実味がないというか、SF味のあるような撮り方をしている印象で、すごく楽しかったです。しかも撮影カメラはほぼ手持ち。僕の出演パートでは固定カメラは2、3回くらいしか見ていないような気がします。手持ちだからこその緊迫感や臨場感みたいなものがきっと画面に出ているんだろうなって。(取材時時点)僕もまだ完成品を見ていないので、どんな作品に仕上がっているがすごく楽しみなんです」
ベテランから若手有望株まで錚々たる出演者陣が顔をそろえた現場では、スタッフや出演者が一丸となってコミュニケーションがとられ、まさにダイナミックに成長を遂げてく服部金太郎が創設した「精工舎」創成期を彷彿とさせるものがあったよう。 「現場でアイディアを出し合い、良いものは取り入れるという姿勢は、その作品の良さに間違いなく直結していくと思うんです。今回の現場では、機動力のある手持ちカメラだったせいもあるかもしれませんが、『このアングルもうちょっとこうかな』『本当ですね、そうしましょう』みたいな感じで、アイデアもバンバン出るし、切り替え替えも早くて。どんどんやろうぜ!という活力みたいなものがすごく溢れていて、とても貴重な時間を共有させていただきました」