ダカール挑戦のダチア、前哨戦モロッコでワンツーフィニッシュも「参戦してすぐに勝てるという前提はない」
ダチア・サンドライダーのテクニカルディレクターであるフィリップ・デュナバンは、ラリー・デュ・モロッコでのデビュー戦でワンツーフィニッシュを飾ったにもかかわらず、2025年1月3日から17日までサウジアラビアで開催されるダカールラリーに向けての期待感を抑えようとしている。 ダチアはイギリスのプロドライブと提携し、ワークス体制でダカールラリーに挑戦する計画を立てており、ナッサー・アル-アティヤとセバスチャン・ローブ、クリスティーナ・グティエレスの3台が2025年のダカールラリーにエントリーしている。 2024年を通してサンドライダーと呼ばれるマシンを開発してきたダチア。10月にモロッコで行なわれるラリー・デュ・モロッコはダカールラリーの前哨戦とされているが、サンドライダーにとってここが初の実戦テストとなった。ここでは、アル-アティヤとローブが冷却トラブルなどの小さなトラブルに見舞われながらも1-2フィニッシュを決め、グティエレスは旧型コンポーネントを使用してライフの比較実験を行なった。 デビュー戦で力強い結果を出したにもかかわらず、デュナバンはダカールでの勝利は期待していないと主張した。 目標は何かと問われ、「できる限りうまくやることだ」と彼は答えた。 「ダチア側には、参戦してすぐに勝てるという前提はない」 「言うまでもなくスピードがあることを望んでいるが、ダカールでの経験を積み、その距離を走れるだけの信頼性があることを知る必要がある」 「だからまず始めに走行をして、経験を積むことだ。モロッコで結果を残したことで、少し期待が高まったかもしれない」 「しかし、すぐに勝利という結果を出さなければならないという義務はない。もしそうなれば、それは素晴らしいことだが、それを前提にしているわけではない」 「故障もあったし、苦労もあった。順風満帆というわけではなかったんだ。とてつもない結果に見えたかもしれないが、確かにチャレンジもあった」 「『勝ったからもう大丈夫、ダカールに行くだけだ』という見方もあるかもしれないが、やるべきことはたくさんある。まだ多くの重要なコンポーネントに目を通す必要がある」 モロッコを総合78位で終えたグティエレスのマシンに施されたテストについて、デュナバンはmotorsport.comに次のように語った。 「特にクリスティーナのマシンには、テストのために使用された特定の要素があり、コンディションが良くないとわかっているコンポーネントを変更しなかった」 「なぜそうするかというと、テストに行っていろいろなことを学ぶことはできるけれど、実際にイベントでやってみることに勝るものはないからだ」 「だから、おそらく通常の寿命だろうと思われる部品を持っていったんだ。それを積んでラリー・モロッコを戦えば、ダカールに出発するときに必要なマージンを得ることができるからだ」 チーフメカニックのアリステア・ギブソンは、「1台のマシンにいくつかの課題があったことは、チームにとって本当に重要だった」と戦った。 「そのクルマはテストカーであり、とにかく耐久テストを行なっていた。それは、我々が苦労して試さなければならないことだった」 「いくつかチャレンジがあったが、どのようにチームが対応するかを学ぶのは、全員にとって素晴らしい学びだった。ダカールでそういうことが起きたら、シャープになる必要があるからね」
Ewan Gale