『金田一少年の事件簿』原作者・樹林伸が語る はじめ役の条件
歴代の金田一が有する“目力”
1995年には日本テレビの土曜21時枠で初のテレビドラマ化もされた。金田一一を堂本剛が、ヒロインをともさかりえが演じたシリーズは、最高視聴率29.9%を叩き出す大ヒットとなった。97年には映画化もされた。 「やっぱり、剛が金田一のイメージそのままだったってのが大きいんじゃないですかね。ともさかさんも、優等生っぽいイメージにぴったりで。キャスト人気どうこうの問題じゃなくて、役に合ってた。当時って少年たちが主人公になったようなドラマってしばらくなかった気がするんですよね。プロデューサーとは昔のNHKの少年ドラマシリーズのような、謎があって大人も楽しめるドラマにしたいねと話してました」 堂本の代表作ともなったドラマは、その後も主人公をジャニーズの後輩たちが演じ継いできた。初代は堂本剛(1995 - 97年)、2代目は松本潤(2001年)、3代目は亀梨和也(2005年)、4代目は山田涼介(2013 - 14年)。 4代目となった山田とは、こんなエピソードがある。 「はじめの役は目力がある人間がやるべきなんですよ。キリッとした目がすごくいいんですよね。それでドラマ『探偵学園Q』の打ち上げの場で山田涼介君に『いつか金田一一をやってほしいんだ』って言ったんです。彼がそういう目をしてたんで、これはいいなと思って。すると『絶対やりたいです』って言ってくれた。何年かして、それが形になったんですよね。で、あのときのこと覚えてる? って聞いたら、もちろん覚えてますと言ってくれて。もうすごくうれしかったですね」
今春、バトンは道枝駿佑に受け継がれる。 「彼は涼介のやってた金田一に憧れてジャニーズに入ったと聞いて結構びっくりしました。長くやらないとこうはならないんでね。優しい顔からキリッとなったときのギャップが面白いんですよ。その芝居を早く見たいなって思います」 「あとは親子で見てほしいですね。『八つ墓村』とか横溝さんの作品って何度も作られてるじゃないですか。親御さんが子どもたちに話しながら、旧作のリメイクを見るってちょっとできない経験ですよね。そういうことってなかなかないんで、僕は結構興奮してますよ。もうあまり言われない時代だけども、お茶の間で見てほしい気持ちがありますね」