<私の恩人>嘉門達夫 名付け親は桑田佳祐さん 「サザン」の曲も好きに使っていいと許された
『ヤンキーの兄ちゃんのうた』『鼻から牛乳』などのオリジナリティーあふれる曲を生み出し、最近は子供向け番組から再び火がついた『アホが見るブタのケツ』がヒット中のシンガーソングライター・嘉門達夫さん(54)。本名・鳥飼達夫。実は、嘉門は本名ではありません。嘉門の名を与えたのは、なんと「サザンオールスターズ」の桑田佳祐さんでした。
16歳で笑福亭鶴光に弟子入りしまして、笑福亭笑光(しょうこう)になったのが17歳。19歳で憧れの番組だったMBSラジオ「MBSヤングタウン」のレギュラーになって、落語らしくない弟子になり(笑)、21歳で破門になりました。 ここで愕然としたのが、名前がなくなったことの大きさでした。 「お名前何ですか?」 「笑福亭笑光です。鶴光の弟子でして」 という何気ないやりとりが成立しなくなる。その大きさにショックを受けました。
当時、所ジョージさんが売り出し中で、名付け親が宇崎竜童さんだと。自分も「桑田佳祐さんなんかに名前を付けてもらえたらエエのになぁ」なんてことを、破門されて出た全国放浪の旅で行きついた与論島で、貝細工を作るアルバイトをしながら思ってたんです。 念ずれば、通じるんですかね。そんな中、僕が「ヤンタン」やらせていただいていた時にお世話になっていたディレクターさんの車に、たまたま僕の曲のカセットがありまして、その車に(桑田さんらが所属する芸能事務所)アミューズの大里洋吉社長が乗ったんだそうです。「最近、面白いヤツいないの?」なんて、何気ない世間話の流れでディレクターさんがカセットをかけたら、大里さんが興味を持ってくださったんです。 それがきっかけで、演者として活動することも見据えながら、大阪でアミューズの契約社員として有線放送を営業回りして「サザンオールスターズ」の『チャコの海岸物語』をPRする仕事をさせてもらうことになったんです。 たとえば、「サザン」が関西でコンサートをする時には、打ち上げの盛り上げ要員として呼んでいただくようになりまして。司会もやりながら、打ち上げ会場の居酒屋の狭い厨房で着替えて仮面ライダーの格好で出てきて歌ったり(笑)、まぁ、いろいろやらせてもらいました。