「異例」の策を採用するドジャース先発陣 準備してきた計画で山本由伸も「質の高いローテに変貌している」
今季、先発ローテーションの顔ぶれが大きく変わったドジャースでは、タイラー・グラスノー、ジェームズ・パクストン、山本由伸といった新加入選手を軸に順調に勝ち星を重ねている。その中で、メジャー1年目の山本も先発陣の一角を担い、ここまで4勝をマークするなど、チームの躍進を支える存在だ。 【動画】山本由伸が初回から19球連続ストライクの記録達成 日本から海を渡った全ての選手がそうであるように、山本もドジャース加入決定直後より、プレー環境の変化への懸念が囁かれていた。中4日での先発が主流となる、NPB時代とは異なる登板間隔へどれだけスムーズに適応できるのかが、ドジャースの一員として戦う上で乗り越えなければならない課題となっていた。 だが今季、ここまでドジャース先発陣は基本的に中5・6日での登板を果たしてきており、山本もNPB時代と大きく変わることのない間隔で、先発マウンドに登ってきている。これは、今季のドジャースが特別なローテーションを組んでおり、先発投手の負担を考慮した上で採用された「異例」策であると、専門メディア『Dodger Blue』が伝えている。 現地時間5月15日(日本時間16日)、同メディアが今季のドジャース先発ローテーションについての特集記事を配信。その中で、シーズン序盤より先発投手の休養日を作るべく、6試合毎にブルペンデーを設けていると説明し、これは山本のNPBからの移籍や、タイラー・グラスノーなど故障歴を持つ投手も加わったことで採用に至ったと綴っている。 同メディアが「型破り」とも評する現在のドジャースの先発ローテーションについて、「開幕前に負傷者が続出し、シーズンが進むにつれてブルペンはさらに疲弊した」と救援陣の登板過多も目立ったとしながらも、現在では「最近のドジャースの優勢に大きく貢献している」と成果を評した。 また、マーク・プライヤー投手コーチのコメントも掲載。「これは開幕直前に策定されたプランではない。ヤマモトの件(契約)がまとまった時点で、フロントオフィスが準備してきた計画であり、それに対応できるように選手層を厚くし、必要なときに選手が最高のパフォーマンスで投げられるようにするためのものだ」として、早くから練られていた構想だったと明かしている。 同メディアは山本について、「徐々にドジャース・ローテーションの質の高いメンバーへと変貌を遂げている」と現在までのパフォーマンスを称えており、チームの計画が結果に結びついているとも論じている。選手のコンディションに細心の注意をはらう首脳陣の盤石のサポートに支えられ、背番号18はここからパフォーマンスをさらに高めていけるはずだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]