楽天の決済サービスが激変する。「決済アプリ統合」でPayPayに対抗!
楽天はアプリの統合で決済の利便性向上に注力!
師範 何より驚いたのは、三木谷社長が、キャッシュレス決済のニーズが高まるなかで楽天は業界をリードできるように、決済サービスの利便性の向上に力を入れると言っていたことじゃ。これからの時代、クレカ中心では世の中の変化に対応する動きが鈍くなる、その意味ですでにPayPayに遅れを取っていると感じているのではないか。 浦井 なんと! 楽天といえば楽天カードが肝心要だと私も思ってました!! 師範 PayPayが画期的だったのは、電子マネーでありつつ現金に極めて近い立ち位置にあること。これまで電子マネーは法律上出金(現金化)が難しかったが、PayPayは出金の対象を「PayPayマネー」、つまり銀行口座とセブン銀行ATM、ローソン銀行ATM、ヤフオク・PayPayフリマの売上金からチャージした、本人確認済みの残高に限定したことで法律問題をクリアした。特にPayPayの送金機能は利便性が高く、昨年のPayPayの送金回数は約2.8億回。これは銀行の振り込み件数の6分の1の規模に達する。今年4月には1回の送金上限も30万円に引き上げられ、より幅広いニーズに対応できるようになった。 浦井 なるほど。ちなみに楽天ペイでは送金はできないんでしたっけ? 師範 楽天ペイでも楽天会員同士の送付が可能。1回の送付上限は10万円で、本人確認が必要ない楽天キャッシュ【基本型】では月額30万円、本人確認を行えば出金可能な楽天キャッシュ【プレミアム型】なら月額100万円まで送付することができる。 浦井 それだと大学生の子どもへの仕送りなんかすごく簡単で、親は助かりますね。 師範 ちなみに楽天がスマホ決済に力を入れるのは、加盟店拡大のため、という理由も大きいようじゃ。クレジットカードやIC型電子マネーの決済に必要な端末は導入コストが大きいため、楽天カードや楽天Edyの加盟店は資金力のあるフランチャイズ店舗が多かった。だがそれではPayPayのように個人経営の店舗に導入してもらえない。そこでより導入コストがかからない楽天ペイアプリを決済の中心に据えようと考えたんじゃろう。さらに、クレジットカードは概ね普及してしまって新しい展開を考えにくいという側面もあるやもしれん。 浦井 キャッシュレス決済にいま大きな変化が訪れているんだなあと改めて実感しますね。