「公害という言い方やめる」わずか10日で前言を翻した静岡市長は、前日に会社トップと面会していた
市民への説明も「いますぐ必要だと伝えていない」
会社から市民への説明についても、当初のインタビューでは「必要だ」と答えていた難波市長。しかしこれも随分スタンスが変わってしまったようだ。 当初のインタビューにはこのように答えていた。 「市民に対して説明する必要はあると思います。(中略)はっきり申し上げますが、この会社から公式見解が出たことはない。工場の近くだけではなく、数キロ離れたところでも地下水の濃度が高いという実態に対しても、会社から何のコメントも出ていないというのが実態ですね」 これがどう変わったのか。記者会見ではこのように答えている。 ――住民説明会について、議会の答弁でも「住民から要望があれば検討したい」というふうにありましたけれども、市長は住民説明会を会社がやるべきというスタンスでしょうか? 難波市長「やはり、会社としての説明というのは必要だと思う。どの範囲を対象に説明されるかも、それも会社の判断でまず必要だと思います」 ――市長から住民説明会をやった方がいいですよという話は出なかったのか? 難波市長「住民説明会については、三井ケマーズさんは「十分やっている」というご理解をされていましたけれども。『まだ、これから課題はあるかもしれませんね』というお話をいたしました。(略)濃度の濃い地域が広がっているところがありますので、『場合によってはそちらも必要かもしれませんね』と。 ただ、今そちら(工場から離れても濃度の高い地域)から、説明が必要だという話はあまり大きくいただいていませんので、今すぐ対応が必要だとは三井さんにはお伝えしていないですね」 要するに、説明は必要だが誰に説明するかは会社の判断。そして今のところ高い濃度が検出された場所でも住民からの要望がないので、住民に向けて説明するよう会社に求めることはしないということだ。 「会社からの公式見解は出ていない」と断じた批判を引っ込め、従来どおり地元自治会、会社、静岡市の3者協議を重ねながら、内容は非公開のまま進めていくというのである。