アストンマーティン、WECとIMSA参戦に向けテストをスタート。まずは前計画の”遺産”AMR Proで走り出し
アストンマーティンは、2025年から同社の高級スポーツカーであるヴァルキリーを使ってWEC(FIA世界耐久選手権)と北米のIMSAスポーツカー選手権に参戦する予定であり、そのためのテストプログラムがスタートした。 フルハイライト|2023年ル・マン24時間レース このプログラムは、ヴァルキリーのサーキット走行専用バージョンであるAMR Proを使って開始された。タッグを組むハート・オブ・レーシングが2025年に使用する新型LMH車両は、このAMR Proをベースに開発されるのだ。 アストンマーティンの耐久レース責任者であるアダム・カーターは、シルバーストンでのテスト走行について、LMH車両が後にテストを行なう前の”初期システムテスト”だと説明した。 彼曰くAMR Proを使って、『いくつかの基本的なソフトウェアに関する作業』を行なったという。 このテストは「シルバーストンで極寒の日」に行なわれ、ドライビングは「アストンマーティン・レーシング・ファミリーの信頼できるメンバー」が担当したとカーターは述べた。 また、実際にLMH車両が走り出すまでに、AMR Proでさらなるテストが計画されているようだ。 カーターは、ヴァルキリーLMHの開発は依然として計画通りだと話し、今年の第2四半期末には予定通りサーキットでの実走ができると見ている。 「非常に集中的なテストになるだろう。なぜなら我々には掲げた目標について集中し、懸命に取り組むことができるようなプラットフォームがすでに存在しているからだ」 「そのテストの内容についても、非常に明確な目標がある」 AMR Proは、2019年のル・マン24時間レース前日に発表された当初のヴァルキリーLMHプロジェクトの中で、総合優勝を狙うためのレースカーとして開発が進められた。しかしその翌年、プロジェクトは凍結されてしまった。 「AMR Proは基本的にル・マンのプロトタイプであり、サーキットカーとして購入し使用することができる。LMP1車両のパフォーマンスを備えた、1000kgで1000bhpのマシンなんだ」 「AMR ProをLMHのベースにすることで、様々なチャンスが生まれ、妥協も少なくなる」 2025年型ヴァルキリーLMHもAMR Proと同様、ハイブリッド車両ではないため、コスワースが開発した自然吸気のV12エンジンが搭載される予定となっている。
Gary Watkins