ポケモン、たまごっち、シルバニア…いま「自分用」におもちゃを買う大人が急増、その「納得の理由」
拡大を続けるおもちゃ市場
少子化が進むなか、「2023年度国内玩具市場規模データ」(日本玩具協会)によると、昨年度の国内玩具市場規模は初めて1兆円を超えた。最大の要因は、カードゲーム・トレーディングカードの市場拡大だと日本玩具協会は示している。カードゲーム・トレーディングカードの市場規模は2774億円を達し、玩具市場全体の27.2%を占めたそうだ。 【写真】いま「自分用」におもちゃを買う大人が急増、その「納得の理由」 特に人気を集めたのは『ポケモンカードゲーム』で、前年比で大きく伸長したほか、『ONE PIECEカードゲーム』や『遊戯王OCG』などのブランドも好調だったという。そして、これには「キダルト」が大きく関係しているのかもしれない。 キダルトとは「kid(キッド)」と「adult(アダルト)」を組み合わせた造語で、“子どものような趣味を持つ大人”、“子ども心を持ち続ける大人”の意味。玩具業界ではキダルト向けの商品の生産拡大が続いているのである。カードゲーム・トレーディングカードは子どももターゲットにされている商品ではあるが、キダルトが市場の伸びを牽引したという可能性は十分考えられるだろう。
キダルト需要を狙った玩具
ほかにもキダルト需要を狙った玩具は多く、トレカ以外にもいくつか例を挙げてみよう。 1996年に発売し日本中で大ブームとなったデジタルペット『たまごっち』のリバイバル版商品『Tamagotchi Connection』(税込3960円)。大人のためのなりきりシリーズを謳った『仮面ライダー』変身ベルトのCSMシリーズ、そのひとつである『CSMダブルドライバーver.2』(税込44000円)。SNS投稿を意識した映える可動バディを3年近くかけて開発したという『リカちゃん フォトジェニックリカ シリーズ(ダリア/デイジー/アイリス)』(税込5500円)。 こういった商品が続々登場しているのだが、なぜいま、キダルト市場が拡大しているのか。今回はその実情について、おもちゃ開発者でありクリエイターの株式会社ウサギ代表取締役・高橋晋平氏に話を伺った。(以下、「」内は高橋氏のコメント)