本社をテキサスに移転するスペースX、「スターベース」を市にするってよ
初代市長は、イーロン? テキサス州南部のメキシコ湾沿岸に本拠を置く宇宙開発企業スペースX(SpaceX)が、将来的に本社を移す「スターベース」の市制化に向けて動き始めましたよ。
スペースX、スターベースの市制化を請願
スペースXは、テキサス州南部の拠点「スターベース」の市制化を目指して、地元当局に特別選挙の実施を要請していることが明らかになりました。 スペースXの広報担当者によると、現地に居住する従業員数百人が、キャメロン郡のEddie Treviño判事に宛てて、市制化を求める請願書を提出したそうです。 スペースXのCEOであるイーロン・マスク氏も12日、X(旧Twitter)で、「スペースX本社は、正式にテキサス州スターベース市に移転します!」と、請願書提出を認める投稿をしています。 すでに「スターベース市(city of Starbase)」って呼んじゃってますね…。 スターベースのゼネラルマネージャーであるKathryn Lueders氏は、請願書のなかで「インフラに数十億ドルを投資し、地域経済に数億ドルの収入と税収をもたらしている」と、地域社会に貢献してきたことをアピールしています。 ブラウンズビルの東約40kmのメキシコ湾沿岸に位置するスターベースには、打ち上げ施設やオフィス、従業員用の仮設住宅などがあります。何もないテキサス南端の田舎にあるスターベースは、郡との取り決めに従って、道路管理や公共サービス、教育、医療などの通常は自治体が担う機能の多くを独自で行なっているといいます。 市制化の背景には、従業員の居住環境整備と、さらなる施設拡大のもくろみもあるみたいです。市になれば、権限もそれなりに強くなりますものね。 マスク氏によるスペースXの本社移転宣言を受けて(マスク氏は以前から移転を表明していますが)、テキサス州のグレッグ・アボット知事は歓迎する意向を表明しています。
地域社会と生態系への影響を懸念する声
しかし、地域住民や環境保護団体からは、環境や生態系、先住民の文化や生活への影響を懸念する声があがっています。 環境保護団体や地元住民は、計画通りに年間25回の打ち上げが行なわれることで、環境がさらに破壊され、公有地へのアクセスが制限されることを懸念しています。また、地域を走る州道は、1年の半分にわたって閉鎖される可能性があり、地域住民に負担を強いることになります。 特に、先住民にとって神聖な土地であるこの地域では、スペースXの急速な拡大によって文化的アイデンティティが脅かされているといいます。連邦航空局や環境規制当局も、スペースXの活動による環境への潜在的な悪影響を認識しているそうです。 スターベースの市制化もいいですが、宇宙ばかり見ていないで、足元にある地域社会の声にも耳を傾けてほしいところです。