『ハリポタ』の部屋を飾り付けていく!セットデコレーターの仕事とは?
「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」(以下、スタジオツアー東京)のセットデコレーターであるロージー・グッドウィンがロンドンで取材に応じ、自身の仕事内容や映画『ハリー・ポッター』シリーズ制作時の秘話を語った。 【画像】最高すぎる!クリスマス仕様になった大広間 グッドウィンの『ハリー・ポッター』人生は、シリーズ第4弾『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)から始まった。当時、大学でアートとデザインの学位を取得したばかりだった彼女は、映画業界のことも『ハリー・ポッター』のことも何も知らなかった。しかし、紙素材を使った物作りやインスタレーションは大好きで、“友達の友達”から教えられた人物に履歴書を送ってみたところ「三大魔法学校対抗試合のバナーを作ってほしい」と連絡があり、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の制作に加わることになった。
「『やった!』と思いました(笑)。最高だったのは、毎週のように『〇〇を作らないといけないからもう少し長くいて』と言われたことで、結局『炎のゴブレット』の制作期間はほとんどいましたね。さまざまな部署を転々としたので、美術とセット装飾部門がいかに小道具部門、そしてその他全ての部門と連携しているのかを知ることができたんです。その時にセット装飾という仕事があることを知り、自分にとって夢のような仕事だと気付いたんです」
それが『ハリー・ポッター』シリーズ全作を手掛けたセットデコレーターの故ステファニー・マクミランさんとの出会いだ。第5弾『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』からはマクミランさんのアシスタントの仕事をオファーされ、彼女の仕事ぶりを間近で見ることになった。セットデコレーターの仕事は、セットを特徴付ける全ての要素を提供すること。それは家具から小道具、室内装飾、生地、照明まで多岐にわたる。
「セット装飾部門はまず何が必要なのか、かなり長いリストを作ります。買えるもの、小道具部門に発注するもの、特殊なスキルのある会社に外注するものを判断するんです。可能な限り既製品を購入しようとしますが、どうしても作るしかないものもありますからね。アイテムの優先順位や予算を考えて判断を下していくのが、わたしたちの仕事の大部分を占めています」