「電車アイコン」の人は過激派?穏健派? 批判意見ばかりのSNS、結局愛情と誹謗中傷は表裏一体なのか
SNSでの誹謗中傷は増加傾向
インターネットが一般化するにともない、SNSなどでの誹謗(ひぼう)中傷による被害が社会問題として深刻化している。 【画像】2022~2023年 鉄道業界の「年収ランキング」をチェックする! 実際、SNS利用者の約65%が他者に対する攻撃的な投稿を目撃しており、特に ・X(旧ツイッター) ・ユーチューブ ・ヤフーコメント では誹謗中傷を目にしやすい状況が広がっている(三菱総研)。 総務省が運営委託する違法・有害情報相談センターの相談件数も増加傾向にあり、実際に被害を受けたと感じた人は過去1年間にSNSを利用した人の 「8%」 にまで上る(総務省白書)。SNSの誹謗中傷は自死などの大きな影響をもたらすとケースもある。自分の一言が大きな影響を及ぼす可能性があると想像しやすいにもかかわらず、なぜ誹謗中傷が依然として見られるのだろうか。
誹謗中傷を投稿する理由はいくつもある
誹謗中傷が発生する背景にはいくつもの理由が考えられる。 まず、SNSサービス上の特徴である「匿名性の高さ」が挙げられる。SNSやインターネット上では、本名や顔を隠せるため、投稿主の責任感が希薄になり、軽い気持ちで攻撃的なコメントを投稿してしまうことがある。 他にも、社会・集団的要因として、自分以外の人々による批判的な投稿を見ることで、 「大勢の人が批判的な意見を投稿しているから、自分も投稿して問題ないだろう」 と思うことが考えられる。それに加え、批判する人たちが集団化することにより、自分自身が持っていた意見よりも集団の極端な意見に偏るという心理的な要因なども考えられる。
「正当な批判」と思って投稿している
誹謗中傷を行う本人は、どのような考えを持ってコメント・投稿をしているのだろうか。 弁護士ドットコムの調査によると、誹謗中傷を行った動機について 「正当な批判・論評だと思った」 が最も多く(51.1%)、 ・イライラする感情の発散(34.1%) ・誹謗中傷の相手方に対する嫌がらせ(22.7%) ・虚偽または真偽不明の情報を真実だと思いこみ投稿した(9.1%) との結果が出た。このことから、そもそも自身の投稿が誹謗中傷だと思わないまま、「正義感」などから投稿してしまう人が多くいることが明らかとなった。 自分が誹謗中傷ではなく正当な批判を行っていると思い込んでしまうのはなぜなのだろうか。これには 「投影同一視(とうえいどういつし)」 という心理学的な背景がありそうだ。