「配当性向が40%以上」で上り調子の9月決算会社、配当性向が7期連続で90パーセントを超える会社も
200社を数える2024年9月期本決算会社の決算発表が一巡した。業績は概して堅調だ。配当も予定どおり実施する銘柄が多いようだ。 【一覧表】配当性向が40%以上で業績が上向きな9月期が本決算の会社 配当の水準を計る「配当性向」は、1株当たりの当期純利益に対する1株当たりの配当額の割合で計算される(簡便的には、当期純利益に対する普通株式の配当総額の割合)。当期純利益のうち、どの程度を配当支払いに充てたかがわかる指標だ。 配当性向の20~40%を目安にして配当額を決定する企業が多いが、配当性向から株主還元への積極性を即断するのは禁物だ。業績が落ち込み、当期純利益が急減しても配当水準だけは維持するようなケースでは、結果的に配当性向が数百パーセントを超えることがあるからだ。
このような場合は、配当性向のみがいたずらに大きくなり、投資家の手に入る配当金自体は例年並みということになる。また、過大な株主還元は設備投資などの投資余力を奪い、企業の成長を停滞させかねない。 本稿では、直近に本決算発表を終えた2024年9月期本決算会社のなかから、配当性向が40%以上で業績も堅調な銘柄を紹介したい(11月15日時点)。 ■ノエビアは7期連続で配当性向90%超 選出銘柄のうち最も配当性向が高かったのが、化粧品のノエビアHLDだ。ドリンク剤の「眠眠打破」や「南天のど飴」で知られる常盤薬品工業はグループ会社だ。
ノエビアHLDは、ノエビアが株式移転で2011年3月に設立・上場した持ち株会社。2012年9月期以降は13期連続で増配が続く高還元銘柄だ。2019年9月期以降に限っては6期連続で配当性向が90%を超える。前2024年9月期の配当性向は96.4%だった。 同社は、2023年に株主優待を廃止、2018年以降は自己株式の市場買い付けは実施していないとみられ、株主還元を配当支払いに集中させているようだ。今2025年9月期も、会社側が発表する配当性向予想値は96.1%だ。