沢村賞投手のモノマネで初のフォーム改造中 ソフトバンク村田賢一、球速アップで2年目での初勝利誓う「抑える確率を上げたい」
◆ソフトバンク秋季キャンプ(9日、宮崎) フォーム改造で再び開幕1軍を目指す。ソフトバンクの村田賢一投手(23)が、球速アップのために、人生で初めてフォーム改造に取り組んでいる。大卒ルーキーの中で唯一、今季白星を挙げられなかった右腕は「今までフォームに注力(して練習)したことがなかったので楽しみではある」と心躍らせている。 ■元タレント夫人と腕組みハニカミ2ショット【和田毅秘蔵写真】 明治大からドラフト4位で入団。同期入団の大卒投手は村田の他、岩井俊介、大山凌の2人だ。村田はその中で唯一、開幕1軍をつかんだ。ただ、2番手としてプロ初登板した4月13日の西武戦(ベルーナドーム)では、本塁打を許して1回2失点。結局、1軍での登板はその1試合のみに終わり、その後に頭角を現した大山、岩井が先にプロ初勝利を手にした。「(悔しさは)当然ありますよ。1軍の試合はほぼ見ませんでした」。 不足していると感じたのは、直球のスピードだ。公式戦での最速は145キロ、平均球速は142、3キロというのが現状だ。村田はそれを「たとえ最速が150キロに到達しなかったとしても、平均で145キロというのは来年の目標にやっていきたい」と話す。 最大の武器である〝精密機械〟とも賞される緻密なコントロールは、子どもの頃から育んできたものだ。「抑えるためにというよりは、試合に出場するためにどうすればいいかなっていうのを考えなきゃいけない立場だったので、『手っ取り早くコントロール』になっちゃったんですよ。『球が速くて四球を出すよりは、コントロール良くて抑えた方がいいじゃん』という考えだった」。その制球力を殺さないためか、投手を始めてからこれまで一度も指導者からフォームについて指摘されたことがなかった。 ただ、150キロ台の変化球を投げる投手も少なくないプロ野球の世界。「(スピードがないと)絶対にだめってわけでもないですけど、あった方が楽。抑える確率を上げたい」と、これまで以上にスピードボールの必要性も感じており、オフシーズンでは球速アップのためのフォーム改造に着手し始めた。このキャンプ中に取り組んでいるのは、上半身と下半身の「捻転差」を作ること。これまでは踏み出した瞬間に上半身と下半身が同時に回ってしまっていたが、新しいフォームは「本当に一瞬。0・何秒ですけど、脚が一瞬早く動く」。そのわずかな差で、体の回転を速めて球速を上げるという。 一番の練習方法はモノマネだ。「菅野智之のマネをするとなぜか捻転差が出るんですよ」。本人にも理由は分からないが、米大リーグへの挑戦を表明している巨人・菅野の模倣で手応えをつかみつつある。「(春季キャンプまで)あと3カ月しかない、3カ月もある。ちょっとどっちか分かんないんですけど、自分の合うフォームというか課題を解決できればと思います」。悔しさを胸に来季は1年目につかめなかった初勝利を手にする。(大橋昂平) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社