【バレー】岩崎こよみ「コンビの修正大切に」古賀の最多22得点引き出す 次戦は五輪同組ブラジル
<バレーボール・ネーションズリーグ(VNL):日本3-0中国>◇女子準々決勝◇20日◇タイ・バンコク 【写真】両手を突き上げる岩崎らコート上で喜ぶ日本代表 日本が3年ぶりの4強入りを決めた。アジアの宿敵、中国を3-0で撃破。予選R中国大会の雪辱を狙う相手を返り討ちにした。セッター岩崎こよみ(35=埼玉上尾)が、安定したトスワークでけん引。パリ五輪でも対戦する可能性があるライバルに、日の丸の強さを印象づけた。初のメダルに王手をかけて臨む22日の準決勝は、五輪1次リーグで同組の強豪ブラジルが相手。パリの前哨戦で、因縁の相手を打ち破る。 ◇ ◇ ◇ 準決勝の相手は、因縁のブラジルに決まった。19日に行われたパリの組み合わせ抽選会で、五輪6大会連続での対戦が決まった強敵。エース古賀は「タフな試合が続く」と引き締めた。 本番1カ月前の前哨戦へ導いたのはセッター岩崎だった。準々決勝中国戦。相手はパリを見据えて主力を外し、監督も不在。データが少ない相手だったが、トスワークで多彩な攻撃を演出し、2本のサービスエースで流れを引き寄せた。真鍋監督から「ブロックも高い」と期待される通りのブロックポイントも挙げ、3-0の快勝。21年以来3年ぶりの4強進出を決めた。 予選Rからコンビの精度が課題だったが、この日は古賀の両軍最多22得点を引き出した。「コンビの修正を大切にしていこうと選手間で話をしていた。今日はチームとしてのオフェンスができたので良かった」と古賀。攻撃陣との信頼関係をより強固なものにした。 出産や育児をへて、今年5年ぶりにA代表に復帰。コート内だけでなく、若手とベテランの橋渡し役を担うなど、人一倍の責任感でチームを支える。予選R最終週の福岡大会。試合のなかった14日に宿舎内で指揮官から五輪切符獲得の知らせを受けた。それまで凜(りん)とした表情を崩さなかったチーム最年長35歳。廊下で顔を両手で覆いながら「プレッシャーは大きかったが、みんなの頑張りが実を結んだことがうれしい」と大粒の涙を流した。 22日の準決勝で勝てば、銀以上で大会初のメダルが確定する。「チャンスをいただけることに感謝しかない」。初の表彰台、その先のパリへ、勝利のトスを上げ続ける。【竹本穂乃加】 ▽石川真佑(エース古賀に次ぐ14得点で4強入りに貢献)「ベスト4からの戦いが重要。パリにつなげられるようにやっていきたい」 ○…初優勝を目指す世界ランキング1位のブラジルが、順当に準決勝へ駒を進めた。開催国枠でファイナルRに進出したタイに3-0のストレート勝ち。エースのギマラエスやモンチベレル、タイーザら主力がスタメン出場し、地力の差を示した。VNLでは過去に3度決勝進出も、優勝はなし。パリとの2冠を目指す女王が、日本の前に立ちはだかる。 ◆ネーションズリーグ 18年に「女子ワールドグランプリ」「男子ワールドリーグ」に代わる大会として新設。男女各16チームが参加。予選R12試合を行い、上位7チームと開催国の計8チームがトーナメント戦のファイナルRに進出。最高成績は男子が23年の3位、女子が21年の4位。