アギーレがベテランを再招集した舞台裏
年内最後の国際親善試合となる14日のホンジュラス代表戦(豊田スタジアム)、18日のオーストラリア代表戦(ヤンマースタジアム長居)に臨む日本代表メンバーが5日、日本サッカー協会から発表された。 10月の国際親善試合を戦ったメンバーから負傷離脱中のDF長友佑都(インテル)を含めた10人が外れ、DF内田篤人(シャルケ)、MF遠藤保仁、MF今野泰幸(ともにガンバ大阪)がワールドカップ・ブラジル大会以来、約5か月ぶりとなる代表復帰を果たした。 34歳の遠藤、31歳の今野、さらには9月の初合宿に呼ばれながら負傷離脱し、再び復帰した30歳のMF長谷部誠(フランクフルト)と、10月の2試合では不在だった30歳代のベテランをあえて招集。その一方で、これまでサプライズを与えてきた初招集勢が初めてゼロに終わった。 「サッカーで重要なのは(プレーの)質であり、年齢ではない」。 質疑応答の冒頭でワールドカップ組を復帰させた意図を問われたハビエル・アギーレ監督は、年齢でひと括りにする考え方を一刀両断。オーストラリアで開催される来年1月のアジアカップを見すえながら、偽らざる本音をのぞかせている。 「アジアカップのメンバーは、私の中で80%から90%決まっている。11月の2試合でしっかりと勝利を収めて、自信を持ってオーストラリアへ向かうようにしたい」。 ここまで4試合を消化した新生日本代表だが、1勝1分け2敗、得点3に対して失点8という結果以上に物足りなさを与える内容に終わっている。唯一の勝ち星はFIFAランキングで3桁のジャマイカ代表から挙げたものだが、唯一の得点は相手のオウンゴールで得たものだった。 「ヒントは与えるが、それをピッチ上で発展させるのは選手だ」。 このように公言してはばからないアギーレ監督の下で、チームとして機能する形が攻守両面でなかなか見えてこない。中立地のシンガポールで行われた10月14日のブラジル代表戦では、代表戦初先発の選手を4人も起用。一矢も報いることなく0対4で惨敗した。 初陣以来の軌跡を、アギーレ監督は次のように振り返っている。 「ここまでの4試合はブラジルやウルグアイといったレベルの高い国が含まれていて、勝つことが非常に難しかった。トレーニングする時間が少なかったこともある。いまは3か月が経過し、選手のこと、Jリーグのことをより知っている状況になった」。