タワマンで「コンシェルジュ」や「ラウンジ」はホントに必要?…資産価値から考える「絶対的な結論」と高額維持費のヤバすぎる「罠」【マンション管理クライシス】
維持費の上昇がリセールバリューに悪影響
試しに不動産ポータルサイトにおいて、一定条件を設定して検索してみるといい。ローンが組みにくいとされる自主管理物件を除けば、たまに相場よりやたら安い物件があるはずだ。しかし、それらの「物件概要」を確認すると、管理費や修繕積立金などの維持費がやたら高く、「こう言うわけか」と理解できる。修繕積立金の安易な値上げは資産価値に直接的に悪影響を及ぼすのだ。 マンション適正価格の情報サイト「住まいサーフィン」を運営する沖有人氏が警鐘を鳴らす。 「実はほとんどのマンションの所有者は、維持費の上昇が売却時のリセールバリューに対し、いかに悪影響を与えるかに気付いていません。ローンを終えていれば尚更で、維持費は大した金額ではないので、軽く考えがちです。 修繕積立金であるか管理費であるかに関係なく維持費の上昇はマンションの市場価値にとっては確実にマイナスに作用します。だからこそ、新築マンションも売れやすくするために販売時の積立金は低めに設定するのです」
管理状態が良くても維持費が高い物件は…
中古マンションの価格は、基本的には貸し出した際の想定家賃から維持費を差し引いた手取り家賃の実質利回りから逆算する形で価格を導き出す「収益還元法」に大きな影響を受けるとされる。つまり、維持費が高くなると手取りの想定家賃年収が下がることで、物件価格自体も下がってしまう関係だ。 「高額物件を現金で買うような富裕層を除けば、中古マンションを買う人はローンで買う人が大多数で、月々に支払える総額を予算として考えて、買えるマンションを選びます。したがって、維持費が高いマンションは本体価格で“調整”、つまり売却時には、物件価格を下げて売り出さざるをえず、リセールにおける資産価値は下がってしまうのです。 例えば、維持費が月1万円上がったら年間で12万円、ローンを組む35年間では420万円の負担があらたに発生することになり、理屈上はそれだけ物件の本体価値が下がる計算になります。仮に評価額2000万円の物件で月の修繕積立金を1万円上げてしまうと、1500万円台にしないと売れないことになるのです。 修繕計画がしっかりしているとか、積立金が潤沢だとか、そうした事情は、中古マンション市場では残念ながら、ほぼ評価対象になりません。単純に維持費の高いマンションは、本来の価格帯の顧客層にとって予算オーバーになってしまい、自動的に候補から除外されてしまうのです」(沖氏)
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