台北市日本工商会、台湾版CHIPS法の適用条件緩和を要望 2024年版「白書」
(台北中央社)台北市に事務所を持つ日系企業などでつくる「台北市日本工商会」は4日、頼清徳(らいせいとく)政権に対して政策を提言する2024年の「白書」を発表した。投資しやすい制度の整備に関し、先端産業を支援する法律、いわゆる「台湾版CHIPS法」の適用条件を緩和するよう求めた。 日本工商会の村田温理事長が国家発展委員会の劉鏡清(りゅうきょうせい)主任委員(大臣に相当)に白書を手渡した。 白書では「日台経済のシームレスな連携発展」を目指すとし、具体的ビジョンとして、台湾と日本の貿易、投資、人的交流の拡大における2030年の数値目標を設定。貿易面では双方の取引額を1.5倍にする目標を掲げた。また、ビジョン実現のための主なポイントとして(1)モノ・サービスの自由な流通を実現するための制度整備(2)安心して投資できる環境整備(3)企業間連携による日台サプライチェーン強化(4)学生や企業の交流機会の醸成(5)行政の柔軟な取組み―の5点を提示した。 台湾では昨年、半導体や高速通信規格(5G)、電気自動車(EV)などの次世代産業の研究開発費用や関連設備投資に対する法人税の控除を定めた通称「台湾版CHIPS法」が施行された。日本工商会は、同法の適用対象や金額など適用条件には依然として課題があると指摘。日本企業はまだ同法を用いた新たな投資を実施するに至っていないとし、研究開発費や設備支出額に対して設けている下限額を緩和し、日本の半導体事業向けに補助金を出すなどの支援を行うよう求めた。 日本工商会は2009年から白書を提出しており、今年で16年目を迎えた。 (劉千綾/編集:名切千絵)