それは下心から 私はずるがしこい?あなたに笑顔を向け始めたわけ
言葉は不思議
介護の現場で出会った人から「幸せになる方法」を教わった、と語る介護福祉士でイラストレーターの高橋恵子さん。今度はあなたに、イラストと言葉でメッセージを届けます。 【本編を読む】次のイラストは 「家族にこんな芝居をしかけるなんて、ずるいかな」
せめて、笑顔か、 ひとこと感謝のことばをかけてもらえたら、 介護する側の私の気持ちは、だいぶ違うというのに! そんなことを思っていた私は、 隠れようもなく小さな人間ですが、 きっと共感してくれる人がいることでしょう。 だから今回、 恥ずかしながら、自身の経験を取り上げることにしました。 相手に笑顔になってほしいから、 私が先に笑顔を向ける。 相手にありがとうと言ってほしいから、 私が先にありがとうを言う。 書きながら、なんて私はずるがしこいヤツなんだろう、と思います。 けれど、卵が先か、ニワトリが先か。 はじめは下心から出た、つくりものの笑顔と言葉でも、 結果、本当にそこから、 温かい気持ちや感謝の心が湧いてきたのだから、 終わりよければすべてよし、ではないでしょうか。 自分のためだけど、 いつのまにか相手のためにもなる。 このとっておきの技が、 誰かの介護の日々に届きますように。 《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
高橋恵子