「主婦からすれば“もうやってられない”」 “主婦年金”が廃止されるとどうなる? 年金制度改革があなたの家庭に与える影響
「“主婦年金”に対してくすぶる批判」
【前後編の後編/前編からの続き】「職場の人間関係に悪影響が」「スキマバイトは『20時間の壁』の抜け道」 年金制度改革で主婦を“直撃”する影響とは 【写真を見る】「106万円の壁」撤廃がパート、アルバイトに与える影響は 厚労省が来年1月の通常国会に関連法案を提出する予定となっている「年金制度改革」。「106万円の壁」撤廃や、遺族厚生年金の見直しで、われわれの暮らしはどうなるのか。今回は改革の対象から外れそうな主婦年金の今後とは――。知っておくべき年金問題の核心。 ***
前編【「職場の人間関係に悪影響が」「スキマバイトは『20時間の壁』の抜け道」 年金制度改革で主婦を“直撃”する影響とは】では、法改正に伴って新たに問題となる「20時間の壁」について報じた。 これに加えて、“主婦年金”に関する問題もある。 「『第3号被保険者制度』(3号)、いわゆる“主婦年金”の問題もあります。一定の年収未満なら保険料を納めなくても保険診療が受けられ、老後は基礎年金がもらえるため、“不公平”との批判がくすぶり、廃止を訴える声が強まっています」 と、厚労省担当記者が説明する。 「今回の改革では3号廃止見送りとなりそうですが、『106万円の壁』が撤廃されると、厚生年金加入者が増え、3号の人数は減ることになるでしょう」
「3号であると就労調整の意識が高い」
年金問題研究会代表で1級DCプランナーの秋津和人氏が言う。 「東京都産業労働局の令和5年度のアンケート調査によると、女性パートタイム労働者のうち、約半数が何らかの『壁』を意識して扶養の範囲内で働いている、と回答しています。3号被保険者に限ると、77.3%の人が『壁』を意識して扶養の範囲内で働いていると回答しており、3号であると就労調整の意識が高いことが分かります」 ここへきて3号廃止の議論が盛り上がった背景には、深刻な労働力不足がある。経済同友会と連合は12月12日に東京都内で懇談会を開き、3号廃止を求めることで一致。懇談会終了後、経済同友会の新浪剛史代表幹事はこう述べた。 「年金制度改革は5年に1度。5年後の実現を目指したい」