入札、2度の不調 三重県の盲、聾学校新築 人手不足や物価高騰で
三重県は6日の県議会予算決算常任委員会で、盲学校と聾(ろう)学校を新築する工事の入札が2度にわたって不調となったと報告した。建設業界の人手不足や物価高騰を背景に、入札への参加がなかったことなどが原因。この影響で、新校舎の供用開始時期がずれ込んでいる。中森博文委員(自民党、6期、名張市選出)の質疑に、県土整備部の佐竹元宏理事が明らかにした。 県によると、1回目の入札は5月下旬に公告したが、締め切りまでに参加がなかったことから中止に。10月上旬に公告した2回目の入札も、参加した業者が辞退したため中止となった。 県が建設業界に不参加の理由を聞き取ったところ「民間の工事が多忙で技術者を配置できない」との声があった。資材費や労務費の高騰から「採算が合わない」との訴えもあったという。 県教委は1回目の入札が中止となったことを受け、当初は令和8年9月としていた供用開始の予定時期を9年4月に変更した。来年4月の着工、8年12月の完成を目指している。 県は今月中にも3回目の入札を実施する方針。改めて予定価格の積算を進めている。2回目の予定価格は約49億1585万円。1回目と比べて1億円ほど増額していた。 一方、3回目の入札も不調となれば、校舎の供用開始は再び遅れる見通し。県土整備部の担当者は「これ以上は遅れないよう、3回目の入札は何としても成立させたい」と話している。 県教委は令和2年に両校舎の新築を表明。完成から約50年がたつ両校舎の老朽化や津波浸水想定区域にある聾学校(津市藤方)の防災対策が理由。県立城山特別支援学校(同市城山1丁目)の隣接地に移転する。