<東日本大震災4年>コンパクトシティ構想打ち出す山元町 住民合意形成の難しさ
そんな折、宮城県の収用委員会は今年1月、町からの申請を受けて収用を認める裁決を下しました。今後、Kさんの土地は、強制的に収用される可能性ができてきたのです。 「農家の中には再開の目処すら立てられない人も多い。そんな中で、立派な田んぼを捨てさせて、米作りを再開させようという人間の権利を奪おうとしている。こんなやり方には納得できない」
計画完成まで迫るリミット
町の復興計画の完成は、2018年度末となっており、あと4年です。それまでに計画を1つにまとめなければなりません。復興は地域住民との十分な合意形成は必要不可欠です。強引なトップダウンと指摘される山元町のコンパクトシティ構想がどのように実現していくのか……。新しいまちづくりは全国的なテーマであるだけに、議論の行方が注目されます。 (渡部真/フリーランス編集者)