政府が為替介入?――“防衛ライン”見せない「覆面」ナゼ バナナは42%値上がり…円安まだ進む?【#みんなのギモン】
■手の内を明かさないことが「戦略」
渡邊キャップ 「まだ介入したかどうか分かりませんが、たとえやっていたとしても、やったかどうか、いつやるかも含めて、手の内を明かさないというのが1つの戦略なんです。このような、介入したとしてもすぐに公表しないことを『覆面介入』と言います」 「市場の動きに詳しい三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩さんによると、『為替介入した』と言ってしまうと、円やドルを売り買いして儲けようとしている投資家が160円までは円安になってもいい、為替介入がないんだなと思ってしまいます」 「つまり、1ドル160円の水準が『防衛ライン』だと思わせてしまいます。そうすると、為替介入したとしてもすぐに160円まで円が売られて、介入の効果がすぐになくなってしまうということです」 「そこで覆面介入をすることで、『具体的には分からないけれども、1ドル160円に近づくと何か起きそうだな』という、ある種の疑心暗鬼を植え付けることができるとしています」 「特に29日は、日本が祝日で休みでした。東京市場も取引がないため、取引に参加している世界の人の数は少なく、少しの取引でもいつもよりも大きな値動きが起こりやすい日でした。介入するとなれば、効果が期待できるかもしれません」 「一気に円高が進んでも、介入なのか、大きな取引があったのか、それともその両方が重なったのかと、まさに疑心暗鬼になりやすく、円を売る動きに歯止めをかける効果が大きい日だったとは言えそうです」
■30日夕の円相場は再び円安方向に
鈴江アナウンサー 「実際に介入があったかどうかは1か月後に分かるけれども、直後に公表するよりは時間稼ぎができる、みたいな見方になるでしょうか?」 渡邊キャップ 「そうですね。ある種、効果が少しだけ長く続くということは言えると思います。やったんじゃないか、と言われている為替介入ですが、どれぐらいの効果が期待できるのでしょうか」 「30日午後4時半すぎの円相場は、1ドル156円88銭前後です。じわりじわりと円安にまた動いてきているかなという感じです」