大塚寧々さんの人生にインパクトを与えた3冊。心を異空間に解き放ってくれるのも読書の喜び
誰しも人生の傍に本の存在があるのではないでしょうか。 時に新しい扉を開き、背中を押し、心を癒してくれることも。素敵に年齢を重ねる13人の方々の〝かけがえのない本〟を聞いてみました。大塚寧々さんの人生の「きっかけ」作りをしてくれた本は? 【画像一覧を見る】
考えることのきっかけを私に与えてくれた。
仕事によほど追い込まれない限り、本を手に取らない日はない大塚寧々さん。「夜、眠りにつく前、家事の合間など、隙あらば本を開いて文字を追うのが好きなんです」 幼少期、比較的早くに母親から文字を習い、幼稚園の頃から絵本を自分で読んでいたそうです。「その頃、レコードと絵本が赤い箱にセットになり、物語を耳で聞き、文字で追う本がありました。アンデルセン童話が好きで、それも本に親しむきっかけになったのかもしれません」 そうして小学校、中学校、高校時代になると、大塚さんは本の虫に!? 「図書室で借りては返しを繰り返し、たくさんの本を読みました。小学生の頃は図書室にある江戸川乱歩は読み尽くしたかも。高校生になると、村上春樹さんの初期の作品などを読んでいました。『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』とか」 読書を楽しむ中で、時に心に新しい気づきや価値観を与えるものがありました。 「中学2年のときに読んだ『氷点』はまさにそんな一冊です。人間が持つ罪深さや赦しが描かれていて、大人と呼ばれる年齢になったら自然と心や中身も大人になれると思っていたのですが、衝撃の内容でした。いろいろなことを考えるきっかけを与えてくれた本でした」
物事を引いて見るという大切さを教えてもらった。
高校時代に読んだ『イリュージョン』からは、物事を引いて見る大切さや客観的に見ることの大切さなどを文脈から感じ取ることができました。 「飛び込む勇気や手放す勇気など、自分にはなかった考え方を知ったことで、私自身の発想が広がった気がします」
人情味溢れる住人たちが私の心を元気に。
学校教育では学べなかったことを時に本が教えてくれる。さらに読んでいる間は現実を忘れて、心を異空間に解き放ってくれるのも読書の喜びです。 「『本所おけら長屋』は周りの人にお勧めする本。おけら長屋の住民が個性かで、粋で温かいんです。この本を読むと心が元気になること間違いなしです」