家庭の「揚げ物油」で飛行機が飛ぶ! 航空燃料を廃油から造るプロジェクト 堺市の工場が挑戦 回収や安定供給の問題解決なるか
■廃食用油 身近な場所での調達も 業者が引き取り
使用済み油が飛行機の新たな燃料に代わる「SAF」。原料となる使用済み油の調達は、私たちに身近なところでも行われている。 京都で100年以上続く老舗豆腐店。油揚げや厚揚げなど、油を使った商品が人気だ。 北浦豆腐店店主 北浦裕二さん(42):これはひろうす。寒い時期になると、炊いていただいたり、おでんに入れていただいたり、冬場はよく売れます。 店では毎日、40リットルほどの油を使っていて、以前は廃棄方法に頭を悩ませていましたが、今では業者が引き取りに来てくれます。 北浦豆腐店店主 北浦裕二さん(42):有料じゃないんで、こちらとしては非常に助かっているところです。再利用してもらうのはうれしいです。 油を引き取ったのは、30年ほど前からバイオ燃料事業に取り組んできた、京都の会社、レボインターナショナル。使用済み油からディーゼルエンジン用のバイオ燃料を製造してきたノウハウを生かし、堺の国産SAF工場への油の調達を担当している。
■「廃食油の争奪戦みたいなことになっている」
しかし最近困ったことがあるそうで…。 レボインターナショナル 越川哲也CEO:ここへきてSAF(の需要)というもので引っ張られて、廃食油の争奪戦みたいなことになっている。 最近では、海外のSAF製造業者が、店にレボインターナショナルの何倍もの金額を提示して、使用済み油を買いあさっている事例もあるそうだ。 レボインターナショナル 越川哲也CEO:(取引先から)『他の業者がこんな値段で買うと言ってるんだけど、レボさんも買えるか?』と。そうすると、結局値段競争にしてるのは、他の業者がしてるんですけれども、その値段で買ったら、結局、ANAさん、JALさんに供給できる価格ではできないんですよね。
■新たな協定 一般家庭の使用済み油を提供
そんな中、レボインターナショナルや堺市などは22日、地域に眠っている資源の有効活用を目的に新たな協定を結びました。 ショッピングモールに回収BOXを設置。一般家庭から出た使用済み油を提供してもらう取り組み。 油を持って来た堺市民:夢があります。要らないものが資源になって。飛行機がこれで飛ぶとお聞きしたので。いつも捨てるものなので、活用していただけるならいいなと思って持ってきました。 次世代の燃料「SAF」。私たちが使った油で飛行機が飛ぶ時代はもう目の前にきています。
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