阪神の大竹“コウタロー”が走り始めたハーラーダービー ユーモアな登場曲通りに打線が援護
◇セ・リーグ 阪神5-4ヤクルト(2024年4月27日 甲子園) 【畑野理之 談々畑】ユーモアあるなあ。阪神の大竹耕太郎投手です。こどもまつりとして開催されたこの日のお立ち台には、もっとも適任者だったと思う。近本光司と並んでファンを喜ばせよう、子どもたちに楽しんでもらおうの気持ちがあふれる、本当にいいヒーローインタビューだった。 「私事なのですが、あした(4月28日)は結婚記念日なので負けなくてよかったです」と胸をなで下ろして笑えば、7回、1死満塁を残してバトンを渡した桐敷拓馬には「あんな苦しい場面で代わってしまって…、キリ(桐敷)にはあしたボクから何か贈呈したいと思います」と感謝した。 打席に向かう際の登場曲もクスっとした。 ♪雨々ふれふれ、もっとふれ~ 歌手・故八代亜紀さんの「雨の慕情」のサビが流れる。昨年、自身の登板が雨で流れることが多かったことから「大雨降太郎」の異名をもつ。オフに登場曲を何にしようか思案していたら、同郷・熊本県の大スターの代表曲を知ったという。この日は2回2死一、二塁、小幡竜平のタイムリーヒットの直後だったのでスタンドの大歓声にかき消されて聞こえづらかったが、こんな悩みなら大歓迎だ。 2度目の打席時には、♪走れ走れコウタロー~が流れる。1970年代のフォークグループ、ソルティー・シュガーの『走れコウタロー』のサビだ。 「昨年から伊藤将司が打席に立つ時にゴールデンボンバーの『まさし』を使っていて、あっ、こういうのいいなと思って、自分も走れコウタローにしました。塁に出ても走れ(盗塁)ませんけど(笑い)」 この日、5回無死一塁での2打席目に流れたものの、前を打つ小幡が中前打だったため、またも歓声でほとんど聞こえなかったが、うれしい悩みだ。 実は歌詞は、走れ走れの後、♪追いつけ追いこせ引っこぬけ――と続く。大竹は初球にバントを決めて1死二塁とチャンスを広げた後、近本が逆転の決勝2ラン、さらに大山悠輔の適時打で4―2となり、味方打線がまさに追い越して引っこぬいてくれた。 リーグトップタイの3勝目。勝ち運にも恵まれた大竹コウタローが、ハーラーダービーを先頭で走り始めた。