【マイルCS】「前走1800mで2~5着」の馬が複回収率152% データで導く穴馬候補3頭
前走1800m組は「惜敗した馬」が狙い目 フィアスプライド
2頭目はフィアスプライドを選ぶ。昨年末にターコイズSで重賞初制覇を果たし、今春のヴィクトリアマイルはハイペースを先行して2着。前に行った馬では唯一の掲示板確保だった。今回は府中牝馬S4着から距離短縮で臨む。 マイルCSには毎日王冠、府中牝馬S組を中心とする「前走1800m組」の出走も多い。そこに着目してデータを見よう。 過去10年の当レースにおいて、前走1800m戦で勝った馬は【0-1-0-7】複勝率12.5%、複回収率17%と振るわない。ホットゾーンは「前走2~5着」の【2-1-3-8】複勝率42.9%、複回収率152%。なお負けすぎもダメで、6着以下は【0-0-1-15】となっている。1800mできっちり勝ち切った馬より、距離が長くて少しだけ甘くなった馬が狙い目といえる。 前走1800m戦で2~5着だった馬のうち、過去にGⅠ連対歴があると【2-1-2-4】複勝率55.6%、単回収率167%、複回収率170%とさらに信頼度がアップ。フィアスプライドにちょうど合致する。 フィアスプライド自身、これまで距離短縮ローテでは【2-2-0-1】。唯一の着外も関屋記念の12番人気4着であり、人気以上に走っている。思えばヴィクトリアマイル2着も中山牝馬S9着からの200m短縮で見事な変わり身だった。府中牝馬Sの敗戦で侮られる今回こそ、絶好の買い時だ。
隠れた(?)名コンビ・戸崎圭太騎手×友道康夫厩舎 ジュンブロッサム
ラストは富士Sの勝ち馬ジュンブロッサム。条件戦を突破するのにやや手間取ったが、良馬場のマイル戦では常に強烈な末脚を使い続け、ついに富士Sで重賞初制覇となった。騎乗するのは関屋記念から3戦連続となる戸崎圭太騎手だ。 この戸崎騎手×友道康夫厩舎というコンビが、実はかなりアツい。通算成績でも【12-14-7-37】複勝率47.1%、単複ともに回収率110%超と見事だが、今年に入ってさらに勢いを増している。2024年は【7-6-3-7】で驚異の複勝率69.6%。継続騎乗に限ると【4-2-1-1】複勝率87.5%、単回収率351%、複回収率191%と冴えに冴えている。 ジュンブロッサムは6月に同コースの水無月Sに出走し、勝ち時計1:31.5、ラスト1F10.9というタイムで快勝した。芝1600mで「ラスト1F10秒台」「勝ち時計1:32.5以下」を満たしたのはこのレースの他、モーリスのダービー卿CTと先日アスコリピチェーノが勝った京成杯AHだけ。数字上、GⅠを勝つだけの資質は既に証明済みだ。 <ライタープロフィール> 鈴木ユウヤ 東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
鈴木ユウヤ