2025年は大相続時代到来?「家じまいに関する意識調査」から空き家問題の課題をレポート
家じまいに関する意識調査
Q1:売却を検討し始めたきっかけ まず最初に、経験者と検討者の双方に売却を検討し始めたきっかけを尋ねた。結果はいずれも「使う見込みがなく、家の維持・修繕が大変になった」(経験者34.3%、検討者29.1%)の回答が最多となった。 また、2位の「家族や親族の死別」は経験者が20.6%、検討者が17.4%とその差は3.2%なのに比べ、3位の「家族や親族の高齢化」は経験者12.3%に対し検討者は21.7%と9.4%も上回る結果となった。 調査結果からは、相続後に一定期間空き家になっており、その状態がもったいないと気が付いたタイミングで売却を検討した人が多いことが窺える。実際にオープンハウス・ディベロップメントに家の売却をした人の内4割が相続に関連した売却であり、さらにその内7割がその時点で空き家なようだ。首都圏における「空き家予備軍」は隠れた大きな社会課題になりつつあると言える。 また、「施設の入居のための頭金が必要なため」という回答は検討者の方が高く、老後の介護や暮らしに関わる資金として自ら住宅の売却を計画する人も増えることが見込まれる。検討者の場合「家族や親族の高齢化」が2位となっているが、さらに家を相続・贈与の前後で比較すると、相続・贈与前の人は順位が逆転し1位に。今後、2025年問題を迎えるとより家の売却を検討する人が増えていくと推測される。
Q2:家じまい時の親の年齢
次に、経験者に対して家じまいを実施した住居に住んでいた親の当時の年齢を尋ねた。すると父親・母親共に平均年齢は80才という結果となった。売却時の親の年齢について分布図を見てみると、売却検討タイミングの大きな波は2つ存在するようだ。 一方で、検討者の現在の親の平均年齢は父親が77才、母親が78才となった。検討者の方が親が2~3才若いうちから検討を開始していることが窺える。 経験者のグラフを見ると、全体的には80代がピークとなるが、その中でも大きな山が2回ある。1つ目が80才、2つ目が85才・86才のタイミングだ。死別前に施設に入る、一緒に暮らすなどの理由による売却と、死別後の相続、相続税納付などの理由と推測できる。 また、老人ホームや介護施設の入居費用における平均相場が値上がりしている今、前問での回答にもあったように施設入居の頭金などを理由に売却を検討している可能性も。2025年問題と合わせると家じまい検討が早期化していくことも見込まれるだろう。