歌手・俳優、舟木一夫 年間50ステージ、傘寿の誕生日もオンステージ「少しでも長く現場にいることが大事」 歌いたい、昭和の匂い
来年も50ステージはこなす予定だ。「やってないとダメですね。さびちゃうから。いくつになっても、少しでも長く現場にいることが大事なんですね。そうすれば自分の寿命がおのずと延びてきます」
新曲について聞いた。
「本当の意味で昭和の匂いのする歌を歌いたい。たとえ平成の作品であっても、これ昭和の歌だよねという歌があったら歌いたい。僕は歌い手として、あらゆる先輩の歌をナマで聴いてきている。そういうのが体に入っている世代じゃないと、昭和の歌って難しいですよ」
■65周年見据え
65周年はどのように見据えているのか。
「今は1週間やる場合にはどう歌うかとかを考えないで歌っている。それがどこで引っかかるか。あと半年で引っかかるのか、1年もつのか、2年行けるのか。〝お、来たな!〟っていう瞬間を感じた時、そこからもう1回、歌を軽くできるかどうか」と話し、こう続けた。
「いい意味で鼻歌にできるかどうか。それが多分、『セリフは歌え 歌は語れ』っていうことじゃないかと。野球に例えると、今はストレートだけで勝負していますが、絶対通じない時が来るわけです。元オリックスの星野伸之さんみたいに、130キロのストレートしか投げられないのに、90キロのカーブで勝負できるかどうかなんです。プロってそういうことです。テクニカルになったりキーを落としたりするのではなく、歌をあくまで〝プロの鼻歌〟として送り出せるか。そこにかかっているんです」
◇12月10日~大阪・新歌舞伎座「カウントダウン80′」
■舟木一夫(ふなき・かずお) 歌手、俳優。1944年12月12日生まれ、79歳。愛知県出身。「高校三年生」「学園広場」などがヒットし、橋幸夫、西郷輝彦とともに御三家の時代を築いたが、30代半ばから十数年、ヒット曲もテレビ出演もない〝寒い時代〟に突入。同世代だけを向いて再出発してから復活し、2年後には芸能生活65周年を迎える。
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ツアーコンサート以外に、11月15日(金)~19日(火)=東京・新橋演舞場で「シアターコンサート」▽12月10日(火)~12日(木)=大阪・新歌舞伎座で「カウントダウン80’」。
(ペン・大倉明/カメラ・酒巻俊介)