中島裕翔が大切にしているアイドル観「相手の幸せが、自分の喜びに繋がる」
もう一度行きたい、縁を感じる沖縄の地
東京とは違った空気が流れる、沖縄独特の風や香りを全身で感じながらの撮影。中島の撮影シーンは、一日一シーン、午前中で終了になる日もあった。「たくさん沖縄を観光させてもらいました」と話す穏やかな口調には、現地のゆったりとした時間の流れが垣間見える。 「現地の方を観察していると、東京とは時間の流れが違うな、と感じる瞬間もありました。ゆったりとしていて、自然と気持ちがおおらかになる。那覇市はもちろん、今帰仁のほうにも行かせてもらって『より現地の人の空気感を味わうために』って口実で、しっかり観光しました(笑)」 とくに「今帰仁の方には、すごくお世話になった」とのこと。有名な今帰仁スイカを現場に差し入れするために探すも、なかなか見つけられなかったエピソードについて話してくれる。 「ぜんぜん見つからないから、諦めかけてマネージャーさんと男二人で、かき氷屋をハシゴしたんです。2店舗目に行った店員さんにダメもとで聞いてみたら『知り合いのところにあるかもしれません』って、わざわざ聞きに行ってくれて! 直売所に掛け合ってもらって、ようやく今帰仁スイカに巡り会えました。すごいご縁だなあと思いました」 人の優しさに触れ、貴重な今帰仁スイカの味も確かめられた撮影期間。縁を感じる沖縄の地に、中島は「また、お礼も兼ねて遊びに来たいです」と心を寄せた。
Hey! Say! JUMPで一番“良い人”なのは?
中島が演じる琉晴は、本人も口にするように、少々献身的すぎる“良い人”だ。ヒロイン・美海の幼馴染として、ときには自己犠牲に徹する瞬間もある。男性アイドルグループの一員として、日々、テレビ出演やライブパフォーマンスをする中島自身「琉晴みたいに、優しすぎるがゆえに、自分を犠牲にしてまで人の幸せを願ってしまう性については、アイドルも似ているのかも」と話す。 「どれだけ忙しくても、応援してくれるファンの方がいてくれるんだと思ったら、笑顔でカメラの前に立つことができます。それを自己犠牲と言ってしまうと言葉が強すぎるけど、基本的に『相手の幸せが自分の喜びに繋がる』っていう考え方を大事にしています。ネタバレになっちゃうから言えないですけど、この作品の琉晴だって、優しいだけじゃない一面がありますしね」 どんなに優しく穏やかな人でも、自分の欲に逆らえない瞬間がある。「それこそがリアリティだなと思います」と話す中島は、演じた役柄と自分自身の立場を、違和感なく地続きに捉えるフラットな視点を持っている。 そんな中島に「周りでもっとも良い人といえば?」と問いを向けてみると、「(うちのグループの)有岡かな」と悩まずに即答した。 「あの人は、誰も傷つけないんですよ。人の話を聞いたり、意見したりする姿勢を見ていると優しいな、と感じます。とくにグループとして複数人で活動していると、みんな本気であるがゆえに議論になる瞬間があると思う。有岡はどんなときも『YES AND』のスタンスで他者の話を聞くんです。相手の意見を聞き入れたうえで、しっかり自分の考えも伝える。優しいし、誠実ですよね。でも、本当に自分にとって興味のない話を聞いているときは、わかりやすく顔に出てますけど(笑)」 自分の意見とは違う考え方を提示されたとき、反発するのではなくいったん受け入れ、グループとしてより良い方向を探る。いわば緩衝材のような存在がいるのと同時に、そんなグループを俯瞰して個々の美点を掬ってみせる、中島のような存在も不可欠に違いない。 「僕は、自分の意見を主張するのが苦手というか、いわゆる『0→1』があまり得意ではないので、ほかのメンバーに任せている面も多いです。『こんなのどう?』って提案してみるときもあるけど、基本的には全体のバランスを見るようにしているかも。うちは賢いブレイン的なメンバーが集まっているので、僕はプレイヤーに徹しているかな。とくに、ライブの時は。僕らが周りに気持ち悪がられるくらいに仲が良いのは、お互いの得意・不得意を理解しながら、自然に立ち回っているからなんだろうな、と思います」