奇跡の67歳‧天野佳代子さんの仕事術・長く続けるコツは「楽しむ」を忘れないこと
いわゆる「定年」を過ぎても、生き生きと働く人と内に閉じこもってしまう人。この違いは「楽しんでいるかどうか」の違いなのかもしれない。 今回は、20代からずっと忙しく過ごしてきた天野さんの「仕事」についてのお話。
20代から雑誌のライターを始め、もう40年以上この道を走ってきたという天野さん。 「私くらいの年齢って、けっこう複雑ですよね。周りのスタッフはみんな若いんだけど、自分にはキャリアがあって自尊心もある。でもそこにあぐらをかきたくないっていう気持ちもあったり…」 意見の違いや気持ちのすれ違い。さまざまなことを経て、天野さんがたどり着いたのが「楽しむ」こと。 「いろんな人がいろんなことを言ってくる状況は変わらなくても、自分の可能性を自分で決めたり、はなから相手の意見を否定するのはやめました。私はもともと表に出るより裏方に面白みを見出してきました。今は『両側を知っている自分が本当にいいと思えるものを自信を持って出していけばいい』と思えるようになり、肩の力が抜けました」 現在は雑誌の仕事だけでなく、YouTubeなど新たな分野にも挑戦するように。 「失敗も成功も引きずらず、ひと晩寝て忘れます。その“思い切り”は、年齢を重ねたからこそ得られたメリットかもしれません」
出張でも、いつもと違う空気感を思い切り「楽しむ」
美容誌編集者時代は出張も多かった、と天野さん。これは「ロクシタン」の取材で行ったフランス、プロヴァンス。 「広大なラベンダー畑で撮った一枚。プロヴァンスの自然に癒され、楽しい取材でした」
無理せず、自分のペースで「新たな分野」にも挑戦
今、力を入れているのが「YouTube」の撮影。スタッフと世代が全然違うだけでなく、雑誌とは情報の方向性も違うことから、最初は戸惑うことも多かったそう。 「自分にしかできないことに気づき、実践し始めてからは『楽しもう』と思えるようになりました」
天野佳代子さん 1957年生まれ。音楽ライター、美容専門誌「美的」の編集者、「美的GRAND」の編集長を経て、美容ジャーナリストとして独立。豊富な美容知識と経験に裏打ちされた説得力あるアドバイスで大人気に。美容だけでなく、作家や漫画家、作詞家としての経歴もある多彩な才能の持ち主。 撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/広瀬あつこ 取材・文/北林道子