1分間最強こそケンカ最強ーー異色の格闘ドキュメント・ブレイキングダウン、仕掛け人が語る「幻想」の価値
「1分間最強を決める」をコンセプトに2021年に始動した格闘技イベント「BreakingDown(ブレイキングダウン)」。格闘家の朝倉未来をプロデューサーに迎え、イベントの回数はスピンオフ大会を合わせ9回を数える。今、SNSやYouTubeで爆発的な人気を誇るブレイキングダウンは、なぜここまで急激に成功したのか。立ち上げの仕掛け人であるYUGO氏に話を聞いた。(取材・文:橋本宗洋/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
YouTubeの再生回数ランキングトップ3を独占
ブレイキングダウンは、いま最も話題性のある格闘技イベントであり、最も“数字が取れる”ネット動画コンテンツだ。 2021年のスタート以来、2年もたたずに圧倒的な人気と知名度を得た。大会のPPV中継だけでなく、YouTube上で公開される関連動画も爆発的な再生回数を誇る。昨年11月に発表された、月間のYouTubeの再生回数ランキングでは、ブレイキングダウンのオーディション動画がトップ3を独占した。なおかつベストテンのうち5つがブレイキングダウン関連動画という人気ぶりで、”BreakingDown4(第4回大会)”は累計で約1450万回再生を記録している。 このオーディション動画は、朝倉未来のYouTubeチャンネルで公開されたもの。ブレイキングダウンはメジャー格闘技イベントRIZINで活躍、人気YouTuberでもある朝倉未来のアイデアから始まった。そして、今年の2月に未来はBreakingDownの代表となり、また弟の海も大会のスペシャルアドバイザーを務めている。 ブレイキングダウン立ち上げに動いた“仕掛け人”は過去に自身も格闘家として活動したYUGO氏(レディオブック株式会社代表)。大会の最大の特徴は、キックボクシングをベースにした「1分1ラウンド」という独自のルールにある。通常のキックボクシングは3分3ラウンドから5ラウンド、総合格闘技は5分3ラウンドから5ラウンドであることと比べると、「60秒」は極端に短い。 YUGO氏は「未来さんが漫画家の板垣恵介先生(『グラップラー刃牙』作者)との対談で“1分だけの試合があったら面白い”と言っていたのを見たんです。すぐに連絡を取って未来さんと打ち合わせ。企画書を作って運営会社を立ち上げて、翌月には記者会見を開いてました」と経緯を語る。