<ソムタム田井のコスプレリポート>「ヒロアカ」レイヤー 髪と装飾の“汚し”にこだわり
コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。 【写真特集】「ヒロアカ」美女レイヤー タンクトップ姿で抜群のスタイル披露 写真を一挙に
東京・池袋のサンシャインシティ周辺で定期的に行われているコスプレイベント「acosta!(アコスタ)」で撮影、インタビューした「僕のヒーローアカデミア」の発目明(はつめめい)に扮(ふん)するTomokaさんを紹介する。
原作のマンガは、2024年8月に完結し、現在、テレビアニメ第7期が放送中の「僕のヒーローアカデミア」は、コスプレ界隈でも高い人気を誇る作品の一つ。
作中には個性あふれるコスチュームのヒーローが大勢登場するため、それらをいかにして再現するかがコスプレーヤーの腕の見せどころとなるわけだが、この度、撮影させてもらったTomokaさんは、圧倒的な存在感を放つ髪型の再現にこだわったという。
「このキャラは毛並みが特徴的で、一つ一つの束が太く、先端も丸みを帯びているため、その再現にこだわりました。まずは毛先の芯を用意し、それにウイッグを貼り付けることで毛束を大量生産するんですけど、これがなかなか大変で……。でもこうした技術が認められて、“ベストコスチューマーアワード”という祭典でベストウイッグコスチューマーを授賞できたのはうれしかったですね」
ウイッグだけでなく、その上から装着する装飾品も、Tomokaさんが自作で用意したものだという。発目明は“天才肌のメカニック”ということで、あえて汚し加工を施し、使い込んだ感を出したのもこだわったポイントだと話す。
「今回はゴーグルの造形にもこだわっていて。型紙から作ったのですが、ゴーグルらしい絶妙なカーブを施したり、カラーはアニメ調よりややダークめにしたり。きれいさよりもすすをかぶったような汚しの再現にこだわって、“キャラクターが3次元にいてもおかしくないつくり”を意識して制作に当たりました」
取材・文:ソムタム田井