都知事選で「都内の“不動産価格”」は今後どうなるのか? 「住宅や再開発政策」はもっと争点になるべきだ
■築地周辺が一大高級マンション群に変貌すると…… 築地市場跡地に、周辺の航空規制の変更など水面下の事情の変化で摩天楼ができるとする。そうすると、市場跡地周辺も、再開発促進区等に指定される可能性が大きい。 さらには市場跡地の北側には、築後半世紀前後のビル群がある。 これらがマンションを含めて連鎖的に再開発されると、一大高級マンション群に大変身する確率は高い。 銀座や東京駅に近いうえ、隅田川と東京湾にも至近で、都心で最高のウォーターフロントの高級住宅エリアに大化けする可能性は大きい(同時に、乱開発の懸念もともなうが)。
黒船の襲来に備えてお台場に砲台ができ、築地に疎開地ができたその後の開発の動きを、幸か不幸か凌駕してしまうかもしれないのだ。 築地エリアは、もともと江戸時代の大火で本願寺が浅草方面から築地に移転するため埋め立てられた(築地とはそもそも埋立地の意味)。 旧築地市場敷地には、松平定信が設けた最高傑作の潮(海水)入り式の池泉回遊式庭園である浴恩園の遺跡が地中にあり、現在は東京都指定の旧跡となっている。 これは大正時代の関東大震災によって魚市場(魚河岸)が日本橋から築地に移転し、戦後はGHQに占領(連合国兵らのクリーニング工場などに活用)された経緯も彷彿とさせる。
今後、日比谷公園や旧跡指定されている築地市場跡地はどう再開発されていくのか。 東京五輪の選手村のようにタワマン街になるのだろうか。 再開発の未来は、数年先も読み切れないところがある。 ちなみに、ほとんど知られていないが、築地市場移転に反対していた方々の社宅の跡地等は現在、東京都の大規模再開発でツインタワーに変貌中だ。 ■都知事戦で変わる「再開発のあり方」 過去に東京の中心部を独占していた旧東京1区(中選挙区時代)は、浅沼稲次郎(日本社会)、 野坂参三(日本共産)、鳩山一郎(日本自民)などの政治家を当選させてきた。