充実の布陣で4連覇狙う京産大。同志社大はスピードと防御で切り拓く
SH陣から発信される刺激は、同じようにFWにもある。PR八田優太、FL石橋チューカが代表活動で多くを学び、それを赤と紺のジャージーでも活かす。 2人は開幕戦でも先発メンバー入り(それぞれ3番と6番)、チームに勢いを生むパフォーマンスが期待される。
同志社大は春のトーナメントの2回戦で対戦し、43-7と大勝している。しかし廣瀬佳司監督は、「過去も未来も関係なく、いま、この一瞬を全力で戦うだけ」と話す。 「同志社がどうというより、自分たちにフォーカスして戦います。目標は高いところに置きますが、一戦一戦、チームのベストを尽くしていくだけです」
同志社大は復活を期す今年のスローガンを『ORIGIN』とし、原点回帰からの上昇を狙っている。 新しく指揮を執る酒井優ヘッドコーチは、「同志社スタンダードを取り戻すために準備を重ねてきました」と話す。
試合など交流できる相手がいない北見で夏合宿をおこなったのも、自分たちがやるべきことについて集中して強化し、高めるためだ。 指揮官は、「今年はFWが大きくない。スピードで勝負します。走るスピードはもちろんですが、セットするスピード、ポジショニングのスピードなど、いろんな局面で上回りたい」と話す。
開幕から京産大、天理大と、上位校との戦いが続く。「やってきたことをどれだけ出せるか」が大事。それが、その後のシーズンを左右するだろう。 熱いハートの持ち主のLO寺北亘佑はリーダーシップがある。周囲を鼓舞して勝利をつかみにいく。
シーズン前の仕上げに組んでいた8月30日の慶大戦は荒天のため中止となった。しかし、開幕直前には朝日大と練習試合を戦い、ハードな留学生と体をぶつけた。
「挑戦する準備はできています」と話す酒井HCは、開幕戦のCTBに4年生の田中勘太と2年生の森岡蒼良を起用した。田中は秋の公式戦初出場。森岡も僅かなプレータイムしかないが、指揮官は「ディフェンスでチームを引っ張ってくれるはず」と期待を寄せる。
グレー×紺の12番、13番のタックルが、最後まで目立つ展開に持ち込みたい。
田村一博