子どもの「奨学金」を肩代わりした親の割合は?毎月の平均返還額や負担に感じている人の割合も紹介
子どもが大学や専門学校などに通うため、奨学金を借りているケースは珍しくありません。奨学金は一般的に卒業後に返還が始まり、毎月数万円の返還が必要になるケースもあります。このとき、奨学金の肩代わりを子どもから相談された経験のある親もいるかもしれません。 今回は子どもの奨学金を肩代わりした親の割合をご紹介します。毎月の返還額や返還を負担に感じている人の割合もまとめましたので、ぜひ参考にしてください。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
子どもの奨学金を肩代わりした親の割合はどのくらい?
子どもの奨学金を肩代わりしている親の割合は、全体の2割以下です。延滞者と無延滞者で割合に差があり、独立行政法人日本学生支援機構の「令和4年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」では、以下の数値が掲載されていました。 【「本人の親」が返還金を用意している割合】 ●延滞者:17.8% ●無延滞者:12.6% 上記の結果から、無延滞者の方が自分自身で返還している人の割合が多いと分かるでしょう。子どもの奨学金を肩代わりしている親の割合は、決して多いとはいえません。 もし子どもから奨学金の肩代わりを相談された場合は、なぜその必要があるかを確認するとよいでしょう。また、奨学金の肩代わりは親の家計を圧迫してしまう可能性もあると考えられるため、慎重に検討する必要があります。
奨学金の返還額は毎月どのくらい?
奨学金の返還額は、実際にいくら借りたのかによって異なると考えられます。独立行政法人日本学生支援機構の同調査によると、月々の返還額の割合については、表1の通りです。 表1
出典:独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」を基に筆者作成 延滞者、無延滞者のどちらも、1万円~1万5000円未満を毎月返還している人が最も高い割合を占めていました。
奨学金の返還を負担に感じている人の割合
さらに同調査では、現在と比較して月にどのくらいの金額であれば無理なく返還できるかの割合も掲載されています。 例えば延滞者の場合、現在の返還額で問題ないと回答している人の割合は21.7%となっていました。現在の返還額を負担に感じている人は約8割にもなっており、現在の額から半分程度もしくは4分の1以下であれば無理なく返還できると回答した人が、それぞれ約4人に1人を占めています。 対して無延滞者の場合、60.8%が現在の返還額で問題ないと回答していました。残りの約4割のうち、半分程度の返還額であれば負担にならないと回答している人が最も多くの割合を占め、17.7%となっています。 このことから、延滞者と無延滞者では、奨学金の返還を負担に感じている割合に大きな違いがあるといえるでしょう。